KDDIと三菱重工業、NECネッツエスアイは3月6日、データセンターのサーバーを液体冷却する実証実験において電力消費の94%削減に成功したと発表した。これを踏まえて2023年度中に液浸データセンターサービスの提供を開始すると表明した。
実証環境の様子(出典:KDDI)
液浸冷却装置とフリークーリング装置の構成(出典:KDDI)
この実証は、2022年4月からKDDIの小山ネットワークセンター(小山NC)で行われた。小山NCに100kVA相当のサーバーなどのIT機器と、液体でIT機器を冷却する液浸冷却装置を収容し、大規模構成での利用を想定した。外気冷却するフリークーリング装置を開発し、データセンターでの実装を想定した排熱処理能力の向上と省電力化を実現させるとともに、液浸冷却装置とフリークーリング装置に高可用性を持たせ、ティア4レベルの液浸データセンターでの実装設計を具現化して、安定稼働することを確認したという。
電力使用効率を示すPUE値は「1.05」を達成し、IT機器が発する騒音も空冷方式より約35デシベルの低減効果が確認された。ここでは商用化を見据えて保守マニュアルも整備した。
3社では、今回の成果が大規模データセンターからコンテナー型データセンターまで幅広く活用されることを想定している。