海外コメンタリー

ロールス・ロイスの責任者に聞く、ローコード開発がもたらすデジタル変革

Mark Samuels (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2023-05-31 06:30

 ローコードプラットフォームによってアプリケーション開発が民主化され、あらゆる種類のビジネスプロフェッショナルは自らが直面している課題を解決するためのソフトウェアソリューションを自身の手によって生み出す機会を得るようになっている。

話し合う人物
Rolls-Royceは「Citizen Digital Expo」を開催し、ローコード開発の利点を示してみせた。
提供:Rolls-Royce

 エンジニアリング大手のRolls-Royce Holdingsもその機会を活用している。同社の最高デジタルおよび情報責任者(CDIO)であるStuart Hughes氏はMicrosoftの「Power Apps」プラットフォームの導入を監督してきている。

 航空宇宙産業と防衛産業の大手である同社はMicrosoftと協力し、従業員がローコード技術を導入し、生産性の向上と研究開発のサポートに向けたツールを開発できるようにするための手助けをしている。

 そういった中、Hughes氏は、社内の多くの従業員が独自アプリケーションの開発を始めてくれることを期待している。

 同氏は「われわれが今日Microsoftの『Office』スイートを使っているように、未来においてはPowerプラットフォームを使っているだろう」と述べ、「私はこれが当社の従業員にとって真に生産性を高めるツールだと考えている」と続けた。

 Rolls-Royceでこれまでに開発されたローコードアプリには、同社の研究開発部門向けに構築された、24時間365日対応のオンコールシステムや、従業員が他の従業員に称賛を送れるアプリ「Kudos」、重要な情報を可視化するアナリティクスダッシュボードなどがある。

 Hughes氏はこういったアプリを「マイクロイノベーション」と呼んでおり、これら小さな改善がもたらすメリットの積み重ねによって、2022年を通じたコスト効率の向上と節約効果が800万〜1000万ポンド(約14億〜17億円)に上ったと見積もっている。

 調査によると、市民開発に舵を切っているのはRolls-Royceだけではない。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

マイナンバーカードの利用状況を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]