NECは5月31日、Amazon Web Services(AWS)の専用線接続サービス「AWS Direct Connect」接続拠点の活用やAWSを活用したさまざまな業界向けソリューションの提供、AWS認定資格保有者の育成などを進めると発表した。
まず、AWSが「NEC印西データセンター」(千葉県)に開設したAWS Direct Connect接続拠点を活用し、同拠点を活用した接続サービスを提供する。このサービスはAWSリージョンへの専用ネットワークを介した接続となる。これにより、AWSとセキュアかつ高速・低遅延な接続が可能となるという。
AWS Direct Connectの接続拠点の活用イメージ
NECはこれまで、AWSとの戦略的協業を基に、AWSを活用したさまざまなソリューションを提供している。そうした中、ユーザーの中には既存のオンプレミス環境からAWSへの移行を選択しながらも、データの保管場所(データレジデンシー)に関しては、個別のソリューションを求めるケースが少なくなかった。こうしたニーズに対応するハイブリッドクラウド環境として、今回の接続サービスが提供されることになった。
ハイブリッドクラウド環境の実現により、オンプレミス環境でデータレジデンシー要件に対応しつつ、AWSの200以上のクラウドサービスを活用してDXを推進していくことが可能となるという。
AWS認定資格保有者の育成では、2023年5月末の実現を目標としていたNECグループ内のAWS認定資格保有数3000を前倒しで2022年7月に達成した。また、2023年3月末には4000に到達している。今後は、2023年度から2027年度までの5年間で約6000まで増強する予定だ。
また、今までの知見を基にNEC社内に「マイグレーション&モダナイゼーションコアチーム」を発足させ、ノウハウを集約、オンプレミス環境からクラウドへのマイグレーションやモダナイゼーションに対してスムーズな移行を支援していく。
さらに、現在AWS上で提供している50以上のソリューションやSaaSを拡充させるため、「SaaS & ソリューションコアチーム」をNEC内に発足させる。同チームが中心となり、AWSが提供する「AWSプロフェッショナルサービス」を活用し、顧客へのソリューション拡充とともに提供スピードの向上も図るとしている。