Linuxノウハウ

「Ubuntu Linux」マシンで温度や電圧を監視するには

Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2023-06-15 07:45

 筆者は先頃、メインのOSを「Pop!_OS」から「Ubuntu Budgie」に切り替えた。移行作業は概ね非常に円滑に進んだ。しかし、筆者が所有するSystem76の「Thelio」デスクトップでは、これまでに経験したことのない興味深い現象が起きていた。別のOSに移行すると、ファンが常に動作するようになった。試行錯誤の末、筆者は何とかこの問題を解決することに成功した。最終的に、ファンの適切な制御に必要なSystem76のファームウェアをインストールすることで、この問題は解決した。しかし、その過程で、筆者はハードウェアで「Linux」を強化できるツールのことを思い出した。

 すべてのマザーボードには、温度などを監視するさまざまなセンサーが搭載されている。PCの温度は非常に重要だ。CPUが非常に高温になることもある。CPUが過熱すると、コンピューターはクラッシュしてしまう(もっと深刻な事態に陥ることもある)。PCメーカーごとにやり方が異なることや、モデルによってPCの内部構造が異なることが原因で、インストールしたOSがマザーボードのすべてのセンサーを必ず検出できるという保証はない。ほとんどの場合、インストールしたOSはすべてのセンサーを検出してくれるが、(筆者が経験したように)マシンを使用していないときでも、ファンが常時動作するようになることもある。

 その問題が発生した場合は、sensors-detectコマンドを使用する必要がある。本記事では、「Ubuntu」ベースのLinuxディストリビューションで、そのコマンドを実行する手順を紹介する。

sensors-detectをインストールして使用する方法

 必要なもの:これを実行するのに必要なのは、UbuntuベースのLinuxディストリビューションとsudo権限を持つユーザーだけだ。

1. ターミナルウィンドウを開く

 多くのLinuxディストリビューションには、必要なソフトウェアがプリインストールされていないため、手動で追加する必要がある。デスクトップメニューを開いて、ターミナルアプリケーションを選択する。

2. Ubuntuベースのディストリビューションに「lm-sensors」をインストールする

 Ubuntuベースのディストリビューションで、ターミナルウィンドウから、以下のコマンドを実行する。

sudo apt-get install lm-sensors -y

 lm-sensorsをインストールすると、sensors-detectコマンドを使用できるようになる。

3. sensors-detectを実行する

 ターミナルウィンドウで、以下のコマンドを実行する。

sudo sensors-detect

4. 質問に答える

 sensors-detectコマンドを実行すると、以下のようないくつかの質問が表示される。

  • 一部のサウスブリッジ、CPU、またはメモリーコントローラーにはセンサーが組み込まれています。それらをスキャンして探しますか。これは完全に安全です。(YES/no):
  • 一部のSuper I/Oチップにはセンサーが組み込まれています。それらを調べるには、標準のI/Oポートに書き込む必要があります。これは通常、安全です。Super I/Oセンサーをスキャンして探しますか。(YES/no):
  • 一部のシステム(主にサーバー)はIPMIを実装しています。IPMIとは、システム正常性データなどの取得に使用される共通インターフェース群のことです。最初にSMBIOSからの情報取得を試行します。そこで情報が見つからなかった場合は、任意のI/Oポートから情報を読み取って、そのようなインターフェースの有無を調べる必要があります。これは通常、安全です。IPMIインターフェースをスキャンして探しますか。(YES/no):
  • 一部のハードウェア監視チップは、ISA I/Oポート経由でアクセス可能です。それらを調べるには、任意のI/Oポートに書き込む必要があります。ただし、これは通常、安全です。ISAスロットはないが、ISA I/Oポートは存在する、ということもあり得ます。ISA I/Oポートをスキャンして探しますか。(yes/NO):
  • I2C/SMBusアダプターを今すぐ調べますか(YES/no):

 すべての質問に「Yes」と答えてほしい。すべての質問に回答すると、結果を表示するかどうか尋ねられる。キーボードの「Enter」を押して結果を表示する。結果が表示されると、sensors-detectは、必要な項目を/etc/modulesに自動的に追加するかどうか尋ねる。筆者の場合は、追加すべきモジュールとして、coretempが表示された。「Yes」と入力すると、それらのモジュールが追加される。sensors-detectが多数のモジュールを表示した場合は、すべてを追加する前に、少し調べてほしい。インストールしたカーネルにすでに組み込まれているモジュールを追加してしまうおそれがあるからだ。

5. マシンを再起動する

 sensors-detectがモジュールを/etc/moduleに追加した場合は、再起動して、それらのモジュールを有効にしよう。

 手順の紹介は、以上である。これで、OSがハードウェアをより適切に制御できるようになり、読者の皆さんのLinux体験が向上することを願っている。

提供:eyetoeyePIX/Getty Images
提供:eyetoeyePIX/Getty Images

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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