アドビは、「バックオフィス業務のデジタル化に関する調査」の結果を発表した。これによるとバックオフィス担当者の半数以上が「ルーチン業務が多い」と回答し、日々の業務で「紙の資料を毎日使用」と回答していることが分かった。
回答者にレポートや報告書の作成など定期的に発生する「ルーチン業務」が多いと思うか聞いたところ、「とても多いと思う」が16.4％、「どちらかというと多いと思う」が36.8％で、合わせて半数以上の53.2％が普段の業務の中でルーチン業務が多いと感じている。
また、紙の書類の使用頻度について聞いたところ、「毎日使用している」が52.8％、「週に3～4日ほど使用している」が19.0％、「週に1～2日ほど使用している」が19.4％、「全く使用していない」が8.8％と、バックオフィス担当者の半数以上が紙の資料を「毎日」使用し、9割以上が「週に1日以上」使用していることが分かった。
紙の書類を使用している業務の種類について最も多かった回答が「見積書／請求書」で54.6％、次いで「領収書」が49.6％、「打ち合わせ資料」が46.9％と続いた。今後デジタル化を希望する業務の種類について聞くと、「見積書／請求書」が36.1％で最多だった。
この調査はインターネット経由で実施し、500人（経理・財務・会計250人、人事・労務・総務・法務250人の合計）が回答。調査期間は2023年6月7～12日。
紙の書類をデジタル化したいと思うか
さらに、紙の書類をデジタル化したいと思うか聞いたところ、「全てデジタル化したい（なるべくなら紙で管理したくない）」が19.7％、「なるべくデジタル化したい」が45.4％と、合わせて65.1％がデジタル化を希望していることが明らかになった。
さらに、ここ数年間におけるテレワークの導入や法改正などによってデジタル化が進んだと感じているか聞いたところ、「とても進んだと思う」が18.4％、「どちらかというと進んだと思う」が42.4％で、バックオフィス担当者の60.8％がデジタル化の進展を実感していることが分かった。
加えて、デジタル化の進展を実感している回答者のうち、デジタル化により働き方が柔軟になったと考える割合は、「とても思う」が22.4％、「どちらかというと思う」が57.2％で、約8割（79.6％）となった。
日々の業務で生成AI技術を取り入れているか聞いたところ、「積極的に取り入れている」が5.8％、「少しは取り入れている」が15.4％と、生成AIを業務に利用している割合は21.2％となった。職種別に絞ると、「人事・労務・総務・法務」関連の回答者の生成AI活用率は24.8％と、「経理・財務・会計」関連の回答者の17.6％よりも7.2％高いことも明らかになった。
また、生成AIについて理解している回答者に対して、これからのビジネスにおいて最新テクノロジーの活用が必要か聞いたところ、59.0％が「必要だと思う」と回答した。
新たなスキルを取得する際最も懸念していること
新しいスキルを身に付けるに当たって最も懸念している問題点を聞いたところ、「時間がない」が26.7％と最多となり、次いで「お金がかかる」が26.0％、「やる気を継続できない」が16.1％で続いた。また、「会社にスキル取得のための支援制度がない」という回答も6.2％となり、会社側の制度や体制も少なからず課題となっていることが分かった。
