東海国立大学機構 岐阜大学(岐阜大学)は、工学部の実践的なAI教育の一環として、NVIDIAが提供するエッジコンピューティング向けプラットフォーム「NVIDIA Jetson」と同社の教育プログラムを導入する。NVIDIAが9月19日に発表した
工学部 電気電子・情報工学科 情報コースに所属する学部3年生・約70人に「NVIDIA Jetson Nano開発者キット」が1台ずつ支給される。画像認識、ロボット制御、音声認識などの実装を通じてエッジAI技術を習得し、実践、発信できる力を養成する。
NVIDIA Jetson Nano開発者キット
NVIDIA Jetsonは、自律マシンや組み込みアプリケーションを開発するために利用されるプラットフォームで、GPU、CPU、メモリー、電源管理、高速インターフェースなどが含まれる。用途に合わせてさまざまな組み合わせで販売されている。
同大学では、これまでも「情報工学実験I〜III」のプログラムの中で学生がマイコンなどを活用した作品づくりに取り組んできたが、AIプログラミングにおいて従来の簡易的なマイコンでは性能不足を感じていたという。Jetson Nanoは小型ながら472 GFLOPSの演算性能を持つため、学生はより自由な発想で高度なAI作品を生み出せるとしている。
また、工学部にある既存のNVIDIA GPU搭載PCでトレーニングしたAIをより簡単にエッジに実装できるようになるため、トレーニングから推論までエンドツーエンドのAI開発の流れをより深く、迅速に学べると期待している。
今後、「情報工学実験III」のシラバスでは到達すべき目標として「Jetson Nanoを用いた画像処理、ロボット制御、音声処理技術について理解」や「理解した技術を用いて実際に組み込み開発を行う」といった目標が掲げられている。
「情報工学実験III」は2023年10月~2024年2月の4カ月間で実施され、エッジAIの仕組みを理解した上で学生自身がAIプロジェクトを設計、実装、評価するアクティブラーニングを進める。ここで手掛けたプロジェクトはAIとJetsonの基礎的な実践スキルを習得した証明であるNVIDIAの認定資格「Jetson AI Specialist」の取得にも活用される。Jetson AI Specialistの取得過程には同社が提供する無料の教育キットのオンライントレーニングやテストの受講などが含まれている。