Oracleは米国時間10月16~18日、クラウドERP「Oracle Netsuite」の年次カンファレンス「SuiteWorld 2023」を米国ラスベガスで開催している。「SuiteUP」をテーマに、企業の生産性を高めるイノベーションが数多く披露されている。17日の基調講演には、NetSuiteの創業者でエグゼクティブ・バイスプレジデントのEvan Goldberg氏が登壇した。
NetSuiteの創業者でエグゼクティブ・バイスプレジデントのEvan Goldberg氏
NetSuiteは2023年で創業25周年を迎える。Goldberg氏はこれについて、「過去25年間、私たちのミッションは変わっていない。それは、顧客企業がより少ないリソースでより多くのことを実現し、事業を拡大できるよう支援する、統合されたクラウドアプリケーションスイートを提供することだ。私たちは、3万7000社を超える顧客が最新のクラウドとAIイノベーションの恩恵を受けられるようこのミッションをサポートするため、NetSuiteの機能を拡張し続けている」とコメントする。
NetSuiteは2023年で創業25周年を迎えた。
NetSuiteの歩み
それを踏まえ、17日には組織がコストを削減し、より効率的に業務を遂行して売り上げと収益の増加を支援する一連の新機能が発表された。
まずは、NetSuiteのスイート全体にわたって生成AI/AI機能を追加され、組織の事業計画と予算管理を強化する。これにより、手作業によるデータ入力を減らしてビジネスインサイトを拡大できるよう支援する。AIを活用した新しい機能は次の通り。
NetSuite Text Enhance
- 「NetSuite Text Enhance」:新しい生成AI機能により、ユーザーはNetSuiteのあらゆるテキスト領域に、意図する最初の数語を入力することで、企業固有の関連データを活用して文脈に沿った独自のコンテンツを作成できる。「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」の生成AIサービスによってサポートされ、財務/会計、人事、サプライチェーン/業務、営業/マーケティング、カスタマーサポートの各部門が、AIを活用して文脈に応じた原稿を作成し、迅速かつ簡単にレビュー、編集、承認できるようにすることで、生産性の向上を支援する
- 「NetSuite Planning and Budgeting」:組織はPlanning and Budgetingの新しいAI機能により、データ分析を自動化して意思決定の改善と迅速化を図れる。計画、予測、差異を継続的に監視・分析する予測アルゴリズムにより、企業はトレンド、異常、相関関係を迅速かつ容易に発見し、顕在化させられる
- 「NetSuite Bill Capture」:AIを活用した新機能により、組織は過去データに基づいて経費をインテリジェントに把握・分類できる。Bill Captureを使用することで、手作業による請求書入力を減らして経理チームの生産性を向上させられる
- 「NetSuite Analytics Warehouse」:Analytics WarehouseのAI機能は、多数のソースからのデータを統合して一元化することで、企業がデータを可視化してレポートを迅速に作成できるようにする。アクティビティーをトランザクションレベルで可視化し、理解を深めることで、組織はパターンを発見し、インサイトを迅速に得て、より良い意思決定を行えるようになる