クラウドERP「Oracle Netsuite」の年次カンファレンス「SuiteWorld 2023」が米国時間10月16~18日に米国ラスベガスで開催されている。そこで、日本オラクル Vice PresidentでNetSuite事業統括 日本代表 カントリーマネージャーの渋谷由貴氏が、日本の報道陣の取材に応じ、最新の国内動向を明らかにした。
日本オラクルの渋谷由貴氏
渋谷氏はまず、「リソースプランニングが必要なのはエンタープライズ(大企業)に限った話ではない。日本の99.7%を占める中小企業、そして成長企業が、目まぐるしく変わるさまざまな経済状況に適切に対応し、勝ち残っていくために必要なソリューションだ」と語った。
NetSuiteは2023年で創業25周年を迎える。日本市場には2005年に参入して以来、日本語化をはじめ国内対応を続けながら日本企業のニーズに応えてきた。「日本は常に重要な市場の一つに位置付けられている」(同氏)
日本におけるNetSuiteの歩み
また、同社のグローバルの業績について、2024会計年度第1四半期には21%の成長となり、現時点で3万7000社がサービスを利用しているとした。
日本は中小企業におけるデジタル化やクラウド導入が遅れていると言われているものの、近年は各種法制度の改正や老朽化したERPの刷新などにより市場は堅調な動きが続いている。特にSaaSのERPは大幅な拡大が予想されており、「日本では、まさにこれから(クラウドERPである)NetSuiteの強みが発揮されるタイミングにある」と渋谷氏は強調した。
渋谷氏は、NetSuiteの日本代表に就任以来、特に注力している取り組みとして、パートナーエコシステムの構築を挙げた。「NetSuite製品でより多くのお客さまに、より充実したカスタマーサクセスを提供するためには、強力なパートナーシップが必要になる。パートナーとの関係構築やトレーニングプログラムの提供などによって、ともにビジネスの成功に向けて伴走するための専門チームを強化している」
日本のパートナー企業
ここで重要になるのが「SuiteSuccess」である。これは、業界固有の機能要件や初期設計、設定導入などをプリセットで提供する業界別のERPソリューションで、NetSuiteの短期導入と価値提供までの時間の短縮を実現する。
「SuiteSuccessが確立されたベストプラクティスに基づいて設計されているが、企業特有の要件に合わせて構成したり、カスタマイズしたりもできる。現在は小売業、製造業、卸売業など多数の業種にサービスを提供している」(同氏)
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