三井不動産リアルティは、顧客からの住宅ローン事前審査申込受付、金融機関からの審査結果を管理する業務システムのクラウド化に「Oracle Database Service for Azure」を採用した。日本オラクルが発表した。この採用に当たりクラウド移行の技術検証(PoC)をシステムエグゼが行い、データベース環境およびアプリケーション移行支援も行うという。
Oracle Database Service for Azureは、マイクロソフトの「Azure」とオラクルの「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)間の低遅延でセキュアなネットワーク相互接続を提供するサービス。さらに、データ移動時のエグレス(内部から外部へのデータ転送)とイングレス(外部から内部へのデータ転送)に課金されることはない。そのため、クラウドの利用コストを低減できるとしている。
この施策では、データベース環境をOCIでクラウド化し、ウェブアプリケーションをAzureで最新化する。移行を最小工数かつ短期間に行い、移行後の運用管理の負荷軽減を図るためにOracle Database Service for Azureで移行環境を構築する。移行完了は2024年5月を予定している。
2つのクラウド環境の連携に必要な全ての設定が自動化され、「Microsoft Entra ID」との連携により、簡単にサービスを利用できるようになる。Azureのコンソール画面から「Azure Monitor Application Insights」によるデータベース監視も行え、マルチクラウド環境でシンプルな運用管理ができる。
現行システムは、オンプレミス環境の「Oracle Database」と、データベースと連携したウェブアプリケーションで構成されている。このシステムをクラウド上で更改するに当たり、ユーザーのシステム利用を維持、向上するため、ウェブアプリケーションの依存の高いOracle Databaseをクラウド上でも利用することを前提に、複数のパブリッククラウドを検討した。
その結果、Oracle Databaseとの親和性などからOCI上の「Oracle Base Database Service - Enterprise Edition」をデータベース移行環境として選定し、ウェブアプリケーションの改修、運用環境として「Microsoft Azure App Service」を選定したという。
さらに、OCIとAzureのマルチクラウド環境構築、運用には、最も安価なクラウド利用コスト、工数や期間を含めた移行性、移行後の運用負荷の観点からOracle Database Service for Azureを採用した。