伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は11月20日、システム運用の情報収集や連携を効率化するクラウドサービス「PITWALL」の提供を開始すると発表した。同サービスは同社が独自に開発したもので、海外市場に先駆けて国内での展開を始める。税別価格は年間500万円から。クラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッドクラウド環境を利用している企業を中心に展開し、3年間で50社への提供を目標とする。
PITWALLは、システム監視やログ収集、トランザクションのトレースといった各種管理ツールに対するアクセスを自動化、インシデント発生時の対応フローやパターンを可視化して、オブザーバビリティーを強化するクラウドサービスになる。システム障害やセキュリティ事故、データ欠損などが発生した際の事象確認、影響範囲の調査など初動対応の情報収集を効率化することで、システムの状態把握や復旧に要する時間を短縮し、運用現場における対応品質の向上を目指す。
クラウド化が進む各種開発・運用ツールに加え、オープンソースソフトウェアや内製のツールへのアクセスをクラウドネイティブ技術をベースに一元化し、独自にサービス化。監視・ログ収集・パフォーマンス測定などのツールに加え、インシデント管理ツールや構成管理システム、ナレッジベースや関連部署に連絡するためのコミュニケーションツールとも連携が可能となっている。
障害やインシデントのパターンに応じてフローを作成することで、状況に合わせて必要なツールが可視化され、各ツールへのアクセスも一元化できる。これにより、システム状態の把握や障害対応のプロセスを標準化し、属人化の解消につなげられるとしている。メールやチャットツールと連携して進行情報や利用ツールのスクリーンショットも共有できるため、チームレベルでのナレッジ共有や運用業務の継続的な改善も可能とのこと。
今後は、深層学習や生成AIを活用した障害情報の分析や可視化なども視野に、PITWALLの機能拡充を図り、企業システムの安定稼働を支援していく。
PITWALLのイメージ