富士通とレッドハットは、パナソニック コネクトに「ビジネスアジャイル支援サービス」を提供したと発表した。両社はパナソニック コネクトの仮説検証型ビジネスへの変革を支援している。導入後はプロダクト企画から開発、サービスリリースまでのプロセスを大きく変革し、ビジネスを市場に提供するアジリティーを向上することができたという。
ビジネスアジャイル支援サービスでは、富士通とレッドハットのコンサルティング部隊で構成された支援チームが、プロダクトデザインからシステム開発、サービスリリースまでをトータルに支援する。
同サービスはアジャイルコンサルティングサービスとして富士通が立ち上げた。その後、富士通とレッドハットの協業により、同サービスにレッドハットの「Red Hat Open Innovation Labs」(Open Innovation Labs)のコンサルティングノウハウとエンジニアリソースを組み合わせている。
Open Innovation Labsは企業文化・組織、プロセス、テクノロジーの領域において、革新的な変化をもたらすDXコンサルティングサービス。
パナソニック コネクトは、サプライチェーン、公共サービス、生活インフラ、エンターテインメント分野向け機器・ソフトウェアの開発、製造、販売、ならびにプロフェッショナルサービスを提供している。同社はパナソニックの強みであるデバイスやセンシング、ロボティクスなどを活用し、適切な判断を現場にフィードバックするプロセスの自動化・自律化を推進している。
同社はサプライチェーン・ソフトウェア専門企業のBlue Yonder社とのジョイントソリューションとしてソフトウェアビジネスの一部の開発に当たってきた。開発当初は独自でアジャイル開発を進めていたが、開発スコープが広がったため、複数チームを独自で運営していくことが必要となり今回の導入に至ったという。
富士通とレッドハットの支援チームは、まずプロダクトデザインの進め方を支援し、ステークホルダーとビジネス部門の間での共通理解をスムーズに構築してプロダクトの提供価値を向上。さらに開発フェーズでは、パナソニック コネクトで実施していたアジャイル開発手法の一種であるスクラムの現状・課題を把握するところからプロジェクトを開始していったという。
スクラムに必要なイベントの進行方法、使用しているツール、および現場が感じている課題についてヒアリングを行い、実践するために必要なアジャイル、スクラム、開発手法に関するトレーニングを実施。チームの構成を見直して進めやすい編成に変更した。また、ペアプログラミングやモブプログラミングなどの複数人で1つのタスクを実施していく開発手法を導入し、タスクの属人化を防ぐことで、手戻りの削減と作業時間の短縮を実現したという。
富士通とレッドハットによるアジャイル支援について、パナソニック コネクトでは、さまざまなプラクティスの支援だけでなく、マインドセットの変革においても有効だったとしている。