海外コメンタリー

ITの専門家がAI時代を生き抜くために必要なこと

Joe McKendrick (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2024-02-07 06:30

 IT企業のレイオフに関するニュースが相次いでいるが、IT専門家の雇用の見通しは明るい。問題はただ、新たな技術とビジネスから突きつけられる無慈悲な要求にどう対応していくかということだけだ。2023年9月に発表された米労働統計局の分析によれば、ソフトウェア開発者、品質保証アナリスト、テスターの全体的な雇用は2022年から2032年にかけて25%増加すると予測されており、その雇用の増加速度は「全職種の平均よりもはるかに速い」とされている。

PCに向かう人物
提供:Dean Mitchell/Getty Images

 米労働統計局は、「ソフトウェア開発者、ソフトウェア品質保証アナリスト、テスターに対する需要増は、人工知能(AI)、モノのインターネット、ロボット工学、その他の自動化アプリケーションのためのソフトウェア開発が継続的に拡大していることを反映したものだ」と述べている。

 しかし、IT関係の雇用機会が潜在的に増えているという話は、物語の一面に過ぎない。本当に重要なのは、ごく近い将来に到来するであろうITの仕事の変質だ。AIやローコード/ノーコード開発プラットフォームなどの技術が普及すれば、面倒な手作業は減り、より高度な仕事が増えていく可能性がある。たとえ現在AIに携わっている人々であっても、スキルを拡大しなければならない立ち位置に置かれるかもしれない。

 スキルに対する要求が変化していることは、LinkedInのEconomic Graph が公表した調査でも裏付けられている。LinkedIn Learningのコンテンツ戦略グローバル責任者を務めるDan Brodnitz氏は、「私たちは、仕事をするために必要とされるスキルが急速に変化し続ける時代に生きている」と語っている。Brodnitz氏によれば、LinkedInのデータから得られた分析結果は、「LinkedInのメンバーの半数以上が、今後AIによって破壊されるか、補完される可能性がある仕事に就いており、私たちの仕事に必要なスキルは、2030年までに最大で65%変化する可能性がある」ことを示しているという。

 Tech Mahindraのエンタープライズテクノロジー担当プレジデントHarshul Asnani氏は、日常的な仕事にAIや機械学習が使われるようになったことで、「一部のIT関係のスキルはパラダイムシフトに直面している」と述べている。これには、これまで人間によって処理されていた反復的かつルールに従って行うあらゆる作業が含まれており、「簡単なデータ入力作業、標準的なアプリケーションの定型的なコーディングに加え、初歩的なデータ分析の一部でさえ、AIアルゴリズムによって自動化されつつある」とAsnani氏は言う。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. セキュリティ

    VPNの欠点を理解し、ハイブリッドインフラを支えるゼロトラストの有効性を確認する

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]