松岡功の一言もの申す

中小企業こそいち早くガバナンスを効かせて生成AIを生かせ

松岡功

2024-02-15 10:45

 この1年でブームを巻き起こした生成AIを、企業がビジネスやマネジメントに生かす動きが着実に広がっている。業務の効率化や生産性向上、さらに新たなアイデアを創出してイノベーションを起こすのが目的だ。今のところ、そうした動きは大手の企業が中心だが、むしろ中小企業こそ生成AIを活用して存在感をグッと高めるチャンスではないか。そのためにもAIおよびAIを生かすためのデータのガバナンスを素早くしっかりと効かせたいところだ。

AI活用を追求するのは「Art of Possible」

 ということで、今回は「中小企業こそいち早くガバナンスを効かせてAIを生かせ」と訴えたい。

 まずは、AIおよびAIを生かすためのデータのガバナンスについて、キンドリルジャパンおよびPwC Japanが相次いで興味深いレポートを発表したので、そのエッセンスを紹介しておこう。

 キンドリルジャパンが発表したレポートは「2024年に予測される7つのテックトレンド」。米Kyndrylが2023年末にまとめた内容に日本法人が日本の状況を加筆したものだ。その7つのテックトレンドの1つに「AI導入の要素としてデータガバナンスが浮上」という動きを挙げ、次のように説明している。

 「全速力で走る電車のスピードの維持に線路が欠かせないのと同様、AIを実行するには、適切に整理されたデータの整備が必要となる。企業は、データを整理し、強力なデータカバナンスプログラムを確立して、AIを使用してビジネス価値を提供する可能性に備えるようになる」

 このトレンドについて説明している表1には、AIを生かすデータガバナンスの重要性が列記されている。中でも注目したいのは、右下に記されている「Art of Possible」(可能性の芸術)という言葉だ。

表1:AI導入の要素としてデータガバナンスが浮上(出典:キンドリルジャパンの会見資料)
表1:AI導入の要素としてデータガバナンスが浮上(出典:キンドリルジャパンの会見資料)

 このレポートの発表会見で説明役を務めた同社 専務執行役員チーフ・ストラテジー・オフィサーの工藤晶氏によると、「生成AIはさまざまなリスクもあることから『使えるか使えないか』という論議になりがちだが、そうではなく『何ができるか』、その可能性についてトライアルを繰り返しながら探っていくことが非常に重要だ」とのこと。この取り組みを「芸術」と表現しているのが何とも興味深いところだ。

 同社ではさらにこのトレンドから、「2024年、企業はAIの活用を加速し、データの管理と活用に重点を置くことで、ビジネス価値を高めることを目指す必要がある。これは、データの正確性、アクセス性、セキュリティ、倫理的な利用が戦略的に重要であると認識していることを反映しており、『最高AI責任者(CAIO)』という役割の重要性を強調している」と示唆している。つまりは「CAIOを置くべし」とのメッセージと受け止めた。

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