インフォマートは「自治体の会計業務に関する実態調査」を実施し、結果を発表した。同調査は2023年12月11~25日に実施され、調査対象は自治体の会計業務担当者96人。
これによると、8割以上の自治体が民間企業からの契約書や請求書などを「ほとんど紙」で受け取っていることが分かったという。民間企業からの契約書、請求書などの受け取り方法について聞いたところ(n=96)、「全て紙でやりとりしている」と回答した割合が「契約書」で65.6%、「請求書」で59.4%、となった。「ほとんど紙で行っているが、一部電子化(PDF/システム)している」も合わせると、全ての帳票で8割以上が「ほとんど紙」で受け取っている。
また、民間企業との帳票類のやりとりにおける「役所内の課題や負担」について聞いた(n=96)。その結果、第1位は「差し戻しなどで時間がかかり支払い遅延などのリスクがある」(32.3%)、第2位は「繁忙期に業務が集中すると処理が遅れるリスクがある」(29.2%)、第3位は「押印業務の対応のためテレワークができない・処理に時間がかかる」(27.1%)となった。
支払い遅延のリスクについては、帳票類の不備などが原因で、直近3カ月以内に支払い遅延が発生したかと聞くと(n=96)、12.5%が「ある」と回答している。さらに自治体の規模が小さいほど支払い遅延が発生する割合が高く、「町役場、村役場」の約3割で支払い遅延が発生しているという。
さらに契約書、請求書等の受け取り方法について「全て紙でやり取りしている」「ほとんど紙で行っているが一部電子化(PDF/システム)している」と回答した自治体に、電子化が進まない理由を聞いた(n=85)。
その結果、第1位が「システムの導入費用の問題」(28.2%)、第2位が「システムの運用・維持費用の問題」(24.7%)となった。コスト面だけでなく、ITリテラシーが高い人材の不足やセキュリティ問題など、さまざまな要因があるため電子化が進んでいない状況となっている。
加えて、デジタルインボイス(標準化され構造化された電子インボイス)への移行の必要性について尋ねた(n=96)。「必要だと強く思う」は14.6%、「必要だと思う」は47.9%で、6割以上が必要性を感じていることが分かった。しかし一方で、20.8%は「デジタルインボイスのことはよく知らない」と回答している。