レコード会社大手のキングレコードは、デジタル配信の強化に向けてデータ活用基盤「Domo」を採用した。音楽業界のグローバル化に備えて全社レベルでのデータ活用基盤を構築し、従来の音楽パッケージ市場に加えてデジタル市場における事業拡大を目指す。ドーモが3月27日に発表した。
キングレコードでは、演歌・ポップスから子供向けの楽曲、アニメやキャラクタービジネスなど幅広いジャンルを手掛けており、パッケージビジネスに強みを持つ。一方で、今後の事業成長とファンのニーズに柔軟に対応するためには、デジタル配信の強化が急がれていた。
また、特定の部署がファンのニーズなどのデータ分析を先行して進める中で、全社共通の信頼性の高いリアルタイムデータを活用した全社的なデータ分析の要望が高まり、あらゆる部門の人がスピード感を持ってアクションが取れる体制づくりが求められていた。
こうした背景から、キングレコードは導入のしやすさと使いやすさを重視してDomoの導入を検討した。Domoのプラットフォームは既存システムを簡単に組み入れることができ、社内の全てのデータを統合し、素早くデータ活用を始められる点に着目。加えて、直感的に操作できるダッシュボードや適切に管理されたデータアクセス権限、データ活用の定着化に必要な社内トレーニングの計画を含むDXを成功に導くためのロードマップの策定など、Domoのユーザビリティーやサポート体制を高く評価した。
今後については、Domoに標準搭載されたETLツールを使用してデータの接続・統合・変換をすることで、今まで手作業で行っていた音楽配信実績の集計・レポート作成を自動化させることが可能になるため、業務の効率化を推進していくとしている。
また、タイムリーに配信実績が可視化され、国、配信元、アーティスト、楽曲別など多角的な視点で思い通りに分析ができるようになり、デジタル配信のスピード感に対応できる基盤が整うことで、今まで把握できていなかった兆しを見逃さず、音楽トレンドの深掘り分析も迅速にできるようになることを期待している。特に海外でのムーブメントは予想を大きく超えることもあるため、Domoのアラート機能を使うことで、新たなムーブメントやビジネスチャンスの発見につなげていきたいという。
加えて、新曲発表会などの個別企画やプロモーションの損益データをDomoでリアルタイムに管理することで、プロモーションの進行状況をモニタリングできるようになり、施策提案に活用していく。さらに、データドリブンな意思決定を繰り返すことで、事業の健全化や収益力の向上を図っていくとしている。