この2週間はOpenAIとGoogleの発表が相次いだ。そして今度はMicrosoftの番だ。OpenAIはこれまで、Microsoftの人工知能(AI)戦略における主要なパートナーであり、「ChatGPT」や「DALL-E」を支える技術を同社に提供してきた。そうした経緯を受け、Open AIの最高経営責任者(CEO)を務めるSam Altman氏は、Microsoftの年次開発者会議「Microsoft Build」にサプライズで登場した。
米国時間5月21日、Microsoft Buildの開幕を飾る基調演説の最後に、Microsoftの最高技術責任者(CTO)であるKevin Scott氏はAltman氏に対して、登壇してOpenAIの最近のAI開発と今後の展望に関する見識を披露するよう誘いかけた。Scott氏は会話の手始めに、AIについてこの1年間で最も驚いたことを話すようAltman氏に求めた。
「技術がこのような有意義な形でこれほど迅速に普及するのを目にしたことは、これまで一度もなかった。人々が開発中のものや、可能だと考えられてもいなかったことを行う方法をどのようにして見つけ出しているかを見るといい。だからこそ、APIがあることはいつでも素晴らしい。見ていて本当にすごいことだ」とAltman氏は語った。
OpenAIは、開発者が既存のプロジェクトに利用し、消費者の役に立つ新しいAIアプリケーションを実現できる一連のAPIを提供している。Altman氏は、OpenAIが開発者の働きを高く評価し、開発者にとって便利なAPIの開発を果断に進めてきたと述べた。
「すべての階層やすべてのサービスに組み込めるAPIが多いほど良く、人々が現在手がけているあらゆる業務や製品、サービスに知性を追加したければ、当社がそれを容易に実現できるようにしようと努めた」(Altman氏)
AIの未来について、Scott氏は一般の人々が最も期待すべきことを(はっきりとした詳細情報は除いて)話すようAltman氏を促した。
Altman氏は、「最も重要なことは、私に言える最も退屈で明白で陳腐なことのように聞こえるが、聞こえるよりも実際にはもっと深いものだと思う」と断った上で、「何より重要なのは、モデルが今後、おおむね全体的にスマート化するということだ」
Altman氏は聴衆に対して、「GPT-3」「GPT-3.5」「GPT-4」の間の進歩について考えるよう呼びかけた。それぞれのモデルがいっそうスマートかつ堅牢で、より安全で便利になったというのだ。同氏によると、今後の開発でも、同様に成長して知能と有用性が高まるという。
一般の人々がOpenAIの今後のモデルに期待すべきことについて、Altman氏は、スピードとコスト、マルチモーダルに配慮すると語り、GPT-4ではトークンの価格と待ち時間の両方が半減した一方、最近発表された「GPT-4o」は「Voice Mode」を改善した事実に言及した。
「今は特別な時であり、それを利用せよというのが、私からの最大のアドバイスだ。今は、やろうと計画していることを先延ばしにしたり、次まで待ったりする時ではない」(Altman氏)
Microsoft Buildでは、MicrosoftがOpenAIのモデルを利用して自社サービスを最適化し続け、OpenAIが先週発表したばかりのGPT-4oを「Azure AI」で一般提供することを発表した。
Open AIの最高経営責任者(CEO)Sam Altman氏が、「Microsoft Build」でMicrosoftの最高技術責任者(CTO)Kevin Scott氏と対談した。
提供:Sabrina Ortiz/ZDNET
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。