大手総合化学メーカーのUBEは、クラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」を中核としたクラウドオファリング「RISE with SAP」を導入し、本稼働を開始した。SAPジャパンが発表した。
導入後、「Excel」での集計作業が大幅に削減され、経理業務の高度化が実現した。また、業務の標準化とデータの一元化により、経営管理に必要な情報を早期かつ正確に把握できるようになり、業務の生産性も向上した。
UBEによると、SAP S/4HANA Cloud導入の目的は、DX推進活動全体を貫くバリューチェーンを俯瞰し、企業価値を最大化するための「先読み経営」を実現させることにあるという。具体的には、AIを活用したデータ分析により、様々な施策が経営指標に及ぼす効果をシミュレートすることで、将来を予測し、迅速な意思決定を可能にする。
UBEグループは、2000年に基幹部門業務を支える管理システムとして「SAP R/3」を導入し、約20年にわたり運用してきた。しかし、2027年のサポート終了を機に、DX推進を加速させるため、SAP S/4HANA Cloudへの移行を決定したという。
2022年から構想策定を開始した導入プロジェクトは、計画よりも約4年も前倒しで完了し、本稼働を開始した。導入に当たっては、現行システム資産の有効活用とグローバル体制における業務標準化を重視し、Fit to Standardのアプローチを採用した。これにより、新規導入と比較して約1年半という短期間での移行を実現したという。