Adobeは米国時間10月14日、同社の年次カンファレンス「Adobe MAX」において、新たなグローバルイニシアチブを発表した。同イニシアチブでは、キャリア支援プログラム「Adobe Digital Academy」を拡充し、次世代の学習者や教師がAIリテラシー、コンテンツ制作、デジタルマーケティングのスキルを習得できるようにすることを目指す。
同社はトレーニング、認定資格、コンテンツ作成アプリ「Adobe Express」へのアクセスを提供し、2030年までに3000万人の学習者が需要の高いスキルを身に付けることを目標としている。
トレーニングと認定資格は、Adobeとオンライン学習基盤を提供する団体Coursera、非政府組織(NGO)、小学校、中/高等学校、大学、そのほかの教育機関との連携を通して提供される。Adobeは、奨学金やNGOへの助成金を拠出し、あらゆる学習者が将来のキャリアにつながるトレーニングやツールを確実に活用できるよう支援する。
Adobe Digital Academyは、さまざまな背景を持つ学習者が社会で活躍し、創造性を発揮することを目指すAdobeの理念に基づいている。同社は、寄付、奨学金、製品へのアクセス、パートナーシップなど、この取り組みを含めて2024年に1億ドル以上を投じている。
同プログラムの拡充に当たりAdobeは、生成AIコンテンツ制作、クリエーティブ&AIスキル、AIを責任感と倫理観のもと使用する方法、SNSコンテンツ、マルチメディアコンテンツ、コンテンツマーケティング、マルチチャネルコンテンツや広告といったトピックを網羅したカリキュラムを開発した。学習者は、Adobe Expressなどのツールを活用して高品質なコンテンツを簡単に作成する能力を身に付けるとともに、生成AIを用いて創造的かつ視覚的に自己表現する方法を学べるとしている。
同社は、将来に直結するキャリアパスを作ることにも注力しているという。Adobe Digital Academyの提携先で技術系人材の育成と研修を提供する企業General Assemblyとの提携を拡大し、マーケティングとコンテンツ制作の特別コースをプログラムに追加する。
特別コースの参加者は、ライブ/オンデマンドのトレーニングとGeneral Assemblyのキャリアコーチング、パーソナルブランディング、ポートフォリオ構築リソースに無料でアクセスでき、修了後の就職活動期間の短縮を図る。米国での最初の特別コースは11月に開始予定で、現在応募を受け付けている。米国、英国、インドでの追加コースは、2025年1月に募集開始予定。これらの特別コースはAdobeが全面的にスポンサーとなり、参加者は無料で受講できる。