富士通は11月19日、理化学研究所と同社が共同開発したスーパーコンピューター「富岳」が、世界のスーパーコンピューターの性能ランキング「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」と「Graph500」で10期連続の世界第1位を獲得したと発表した。また、「TOP500」は第6位、「HPL-MxP」は第4位となった。
これらのランキングは、米国ジョージア州アトランタのGeorgia World Congress Centerとオンラインで開催中のスーパーコンピューティングの国際会議「SC24」で米国時間11月19日に発表される。
富岳は、2020年4月の試行的利用を経て、2021年3月に本格的に利用が開始されている。それ以来、ライフサイエンスや防災減災、エネルギー、ものづくり、基礎科学、社会経済など、多岐にわたる分野で社会実装レベルの成果を次々と生み出している。
一方、同社は富岳の技術を生かし、高性能で省電力、信頼性と使いやすさを兼ね備えたArmアーキテクチャーのCPU「FUJITSU-MONAKA」の開発を進めている。2027年の提供に向けて、パートナー企業との協業も推進している。
具体的には、Super Micro Computerと協力し、同社の革新的な冷却技術とFUJITSU-MONAKAを組み合わせて、環境負荷を低減しつつ高性能で省電力なAIコンピューティングプラットフォームを開発する予定だ。また、Advanced Micro Devices(AMD)とは、同社のGPU技術とオープンなソフトウェアスタックをFUJITSU-MONAKAと組み合わせることで、大規模なAIワークロードの処理能力を向上させ、データセンターの消費電力削減による環境負荷軽減と社会課題解決に貢献するAI基盤の提供を目指す。