IT企業の年頭所感

AIプラットフォームで日本の本来の強みを新たな力へ--ServiceNow Japan・鈴木社長

ZDNET Japan Staff

2025-01-07 14:00

 2025年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。

ServiceNow Japan 執行役員社長 鈴木正敏氏

 2024年、日本経済は長年続いたデフレから脱却し、国内外で政権リーダーシップが変わるなど、日本、そして世界は大きな転換期を迎えました。加えて、生成AIという革新的なテクノロジーの急速な発展により、今後の世界経済と日本経済、そして社会の大きな変化の可能性を感じる年となりました。

 その結果、2025年はこの変化をチャンスとしてビジネス成長に生かせるかどうかが多くの企業にとって重要な局面になるでしょう。また、それは日本経済、日本社会そのものの復興のチャンスでもあります。私たちServiceNowは、日本のお客さまと社会がこのチャンスを生かせるよう、企業変革と社会変革に貢献する存在でありたいと考えています。日本社会、日本企業、そしてそこで働く全ての人たちの可能性を信じて、その強みを解き放つために活動してまいります。

ServiceNow 2024年の振り返り

 2024年、ServiceNowはグローバル全体で大きなビジネス成長を続け、時価総額も約35兆円に到達しました。そして、ビジネス変革を実現するServiceNowのAIプラットフォームは更なる拡張を進めています。具体的には、2024年9月にServiceNow史上最も包括的なAIイノベーションを含む「Xanadu」リリースを発表し、合わせて高速化とスケーラビリティ向上を実現する「RaptorDB」を「Now Platform」に採用しました。さらに11月には、ワークフローやAIで活用する組織全体のデータを統合する「Workflow Data Fabric」も発表しました。

 日本のビジネスも大変好調でした。ユーザー視点に立ったエクスペリエンス向上を重視したDXが、日本企業においても進展し、さらに生成AIを活用した企業変革を目指すべく多くの企業で生成AI導入の検討が始まり、新たなデジタル活用領域としてServiceNowのAIプラットフォームの重要性が高まった年となりました。これは、私たちのビジネス成長を誇るのではなく、日本のお客さまに対する貢献度合いが益々高まっていることの証であり、大変光栄に思っています。

具体的には、2024年に掲げた6つの事業戦略に基づき、以下のような進捗(しんちょく)がありました。

  • 業界向けビジネスの加速:通信、サービスプロバイダー業界に加え、製造業・金融サービス業向けビジネスが対前年比で大きく成長しました。中央省庁・自治体のDXを加速するために公共向けビジネスを包括的に強化しました。
  • 進化した顧客体験の実現:お客さま向けセミナーやお客さまへの提案を通じて進化した顧客体験のコンセプトや価値が市場で浸透し、「CSM」(Customer Service Management)と「Now Assist」を組み合わせた次世代コールセンターへの採用などが進みました。
  • 日本に根ざしたパートナーエコシステムの確立:富士通、NEC、NTTデータなどの日本に根ざした企業とのパートナーシップを強化しました。また、累計2万人を超える、お客さまやパートナーさま向けのトレーニング受講者数は、前年比で40%増え、累計2万人を超えました。ServiceNow認定資格者数は、前年比で50%増え、7534人となりました。
  • 中堅/成長市場での本格的事業展開:中堅/成長市場向けの組織体制を確立したことにより、新規のお客さまが大幅に増加しました。同市場向けにDX支援を強化するため、パソナグループ、サークレイス、テキーラ、アオラナウなどのパートナー企業との提携を実施しました。
  • お客さまファーストの価値提案・支援:多くのお客さまで、プロジェクトの本番稼働が開始し、価値の最大化を支援する「ServiceNow Impact」サービスも採用が増加しました。
  • お客さまのビジネス上での生成AIの価値創出:Xanaduにて日本語環境における生成AI機能のフルサポートを実現し、多くのお客さまで、Now Assistの採用が進みました。

ServiceNow Japan 2025年の事業方針

 私たちServiceNowは、AIの効果を最大化するプラットフォーマーとして、日本のお客さまの変革に引き続き貢献していきます。また、ServiceNowのプラットフォームは、企業競争力を強化し、従業員の働きやすさや顧客体験の向上を同時に実現するという総合的な価値を提供します。私たちはこの価値を大切にしながら、各業界やお客さまの特性に合わせ、パートナー各社と緊密に協業しながらビジネスを力強く進めていきます。

 具体的には、2025年は以下の6つの事業方針を掲げます。

  • AIプラットフォーマーとしてのビジネスの進化:生成AIをServiceNowのプラットフォーム上で活用することにより、生成AIの効果をよりスケールしていくことが可能です。多くの企業変革をServiceNowと生成AIによって引き続き支援していきます。
  • 業界向けビジネスの更なる加速:通信、サービスプロバイダー、製造、金融サービス業界に加え、公共事業ビジネスをより一層強化します。また、ビジネスの急成長によって、その他多くの主要な業界においても進展があり、各業界の特性に合わせたビジネス強化を行います。
  • 新規お客さま開拓への更なる注力:パートナー導入テンプレートのソリューション拡充とパートナー主導での案件発掘を強化します。中堅企業や成長企業における活動によって、新規のお客さまによる採用を更に増やしていきます。
  • パートナーとの戦略的協業の一層の拡充:グローバルにビジネスを展開する大手パートナー企業との戦略的協業を更に進化させていきます。加えて、日本に根差したパートナー企業との協業も強化し、日本におけるパートナーエコシステム全体を拡充していきます。
  • お客さまへの企業変革支援提案の強化:お客さまへ進化した顧客体験を提供し、業務プロセス全体の自動化、そして働きやすさを実現するソリューションの提供も拡充します。さらに、Now Assistを最大限活用していただき、お客さまの企業変革を支援します。
  • お客さま支援体制強化による総合力の底上げ:お客さまのグローバル化に沿った体制の増強など、お客さまの変革を支援する組織体制を強化します。また、エンドツーエンドのカスタマーサクセスも一層強化し、お客さまプロジェクトの成功を支援します。

 2025年は、「経営とITは表裏一体」という言葉が真に意味を持つ年となり、デジタル活用がこれまで以上に重要になります。過去数十年間、日本の強みそのものが失われたわけではありませんが、その強みを最大限に発揮できない状況が課題として浮き彫りになっています。これを解決し、潜在的な力を引き出すには、生成AI技術を組み込んだデジタルプラットフォームの活用が鍵となります。さらに激変するであろう2025年、ServiceNowのAIプラットフォームは、生産性向上のためのボトルネックを打破し、日本企業の競争力を強化しつつ、従業員にとって働きやすい環境を提供することで、デジタル変革の加速と大きなビジネス成果の実現を支援します。

 2025年、日本社会と日本企業のデジタルブレークスルーを支援し、更なるビジネス成長とお客さまへの貢献を目指してまいります。

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