内田洋行とウチダ人材開発センタは2月20日、日本規格協会(JSA)が発行する「学校におけるICT活用支援サービスに関する規格」の改正に協力したと発表した。

JSA-S1010:2025学校における ICT 活用支援サービスに関する規格(提供:内田洋行)
この改正は、2021年に発表された「学校におけるICT活用支援サービスに関する規格(JSA-S1010:2021)」が、1人1台端末の普及後に一定の割合を果たしたことを受け、新たに「GIGAスクール構想 第2期」(NEXT GIGA)に向けてICT支援員が求められる教育データ活用やGIGA端末管理、生成AIの活用など最先端のICT授業の高度化に対応することが目的だという。
ICT支援員は、機器の操作やトラブル対応、研修会の企画・実施などで教職員をサポートし、教育のICT化に貢献している。内田洋行によると、教育現場では端末のアカウント管理や更新業務の増加、またプログラミング教育、学習eポータル、教育ダッシュボードのデータ入力、生成AIの活用など、2021年の規格制定時には想定していなかった新たな業務支援ニーズが生じているという。こうした変化を踏まえ、両社はJSAに向けて最先端な教育現場で求められるICT支援員サービスに対応した改正案を起案した。
規格改正では、有識者で構成された「教育ICTサービス規格開発委員会」において現在のICT支援員の活動状況や各自治体の整備状況の差異、提供事業者の品質の違いなどを踏まえて、用語や定義について再検討を行った。同委員会での議論を基に案が作成され、JSA規格開発制度に基づく確認を経て、2025年1月14日にJSA規格「JSA-S1010:2025学校におけるICT活用支援サービスに関する規格」を発行。JSAの公式サイトから税込み価格3410円で購入できる。
今回の改正では、ICT支援員の業務(ICT活用支援サービス)と要件(知識・スキル、能力開発)などを改正した。概要は以下の通り。
- ICT活用支援サービスに関する用語の定義の見直し
- ICT、ICT活用支援サービス、ICT支援員、管理責任者等
- ICT支援員によって提供されるICT活用支援サービスの内容を追加
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<ICT環境の整備>
- 学校で利用しているOSや授業支援システムなどのアカウント管理の支援
- ICT機器・ソフトウェア・クラウドサービスの活用に必要な年度更新作業の支援(学習eポータル、各種アプリケーションを含む)
- 端末管理台帳の作成・更新、台数確認などのタブレット端末管理支援 <教職員間の情報共有>
- 教職員間の情報共有や協同作業を目的としたグループウェア・クラウドサービスの操作方法についての活用支援 等
- ICT支援員について(知識・スキル、能力開発)を追加
- ICTの効果的な活用方法(生成AI・情報活用能力を含む)
- 教育用アプリケーション(プログラミング教材を含む)の概要
- 端末及びネットワーク障害トラブルの対応(一次切り分け)
- 教育の情報化に関する文部科学省の最新情報(ガイドラインなど) 等
- 管理責任者について要件や業務内容の見直し
- ICT活用支援サービス事業者と教育委員会などとの間の契約に基づき、ICT支援員を積極的に支援し、ICT支援員業務全体を円滑に進めることを目的として業務を行う 等

内田洋行・ウチダ人材開発センタが開催した全国ICT支援員ミーティング。約190人が参加し、他自治体でのICT支援員同士が現場業務を活発に意見交流する(提供:内田洋行)