市場には数多くの「Linux」ディストリビューションがある。それらは、コマンドラインだけのものから、機能性と芸術性を兼ね備えたものまで、多岐にわたる。もちろん、ほとんどのディストリビューションはその中間に位置する。それで何も問題はない。多くのユーザーは美しさと機能性が融合されたものを好むからだ。「Linux Mint」や「Zorin OS」「elementary OS」「Ubuntu」といったディストリビューションの人気が高いのは、そのためである。
しかし、Linuxの潜在的な可能性の大きさを思い出させてくれるアップデートがリリースされることも時折ある。
「Bluestar Linux」の最新リリースもその一例だ。基本的に、Bluestar Linuxは「KDE Plasma」に独自の解釈を加えて、高機能なトップバーや巧みに設計されたドック、デスクトップアイコンなどを備える全く別のデスクトップに作り変えたディストリビューションである。以下のものが含まれており、ユーザーはあらゆる面で最高のものを享受できる。
- Linux風のトップバー
- 「macOS」風のドック
- 「Windows」風なデスクトップアイコン
Bluestar Linuxは、複数のOSを融合させたものと言ってもいいかもしれない。
Bluestar Linuxの新しいリリースで最も素晴らしいのは、外観にはほとんど変更が加えられていないことだ。Bluestarは「Arch Linux」ベースの美しいデスクトップディストリビューションであることが皆に支持されてきたが、それは今でも全く変わっていない。しかしながら、ユーザーの目に触れない部分が進化しており、それらの改善が実際に大きな違いを生み出している。
過去のリリースに関して1つ不満があるとすれば、それはパフォーマンスが平凡だったことだ。見た目重視のOSにありがちな性能だった。まずまずのパフォーマンスを発揮してはいたものの、真に高性能なOSを経験したことがある人なら、おそらく感銘を受けることはないはずだ。
しかし、バージョン「2025.05.30」が登場し、開発チームにパフォーマンスを向上させる能力があることが証明された。実際に、エンジンが大幅に増強されたのではないかと感じるほど性能が向上している。それを可能にしたのは、「KDE Plasma」の最新リリースとLinuxカーネル6.14.9という2つの要因だと思う。
カーネル6.14.9には、キャッシュなしのバッファー付きI/Oのサポートなど、パフォーマンス向上に寄与する機能が複数含まれている。詳しく知りたい人は、それらの機能について詳細に解説したこちらの記事を参照してほしい。
つまり、Bluestar Linuxの性能は過去のバージョンから顕著に向上している。しかし、LinuxはほかのOSよりも進化のペースが速いため、注視していないと何かを見逃してしまう可能性がある。今回のケースでは、それは速度だ。