サブジェクト指向BPM「jCOM1」新版--UI向上でコスト削減、IFRS対応を支援

田中好伸(編集部)

2010-03-25 17:09

 パワード プロセス コンサルティングは3月25日、ビジネスプロセス管理(BPM)ソフトウェアの新版「jCOM1 S-BPM Suite 3.4.0」を4月16日から出荷することを発表した。

 jCOM1は、プロセスモデリングツールの「jPASS!」、プロセス確認テストツール「jLIVE!」、プロセス実行ツール「jFLOW!」、管理者向けのウェブアプリケーションツール「ベーシックコンポーネント」という4つのコンポーネントで構成される。最新版の3.4.0では、jPASS!とjFLOW!のユーザーインターフェース(UI)の使い勝手が向上し、より柔軟なフローコントロールができるようになっているという。

 jPASS!の新しいUIは、モデリングをナビゲートするビューの追加をはじめとするモデリング環境を一新。1プロセスあたりのモデリング時間を前版より約35%短縮できるという。jFLOW!では、新しいレイアウトが追加されており、レポートエンジンを搭載したダッシュボードやバッチ処理、ロールバックといった機能も追加されている。視覚性と操作性が改善されることでユーザーはローカルアプリケーションのように利用できるとしている。

画像 UIの使い勝手が良くなったjPASS!

 また新版では、メインプロセスを実行する際に、それを受けてサブプロセスを動的に起動できる機能をjPASS!とjFLOW!に追加している。企業のビジネスプロセスには、1つのメインプロセスにつながる、さまざまなサブプロセスが想定される。今回追加された機能で、プロセスの実行時に瞬時に判断して起動できることから、モデリングや開発、管理に必要になる時間を削減できるとしている。

 新版のjCOM1では、国際会計基準(IFRS)対応を支援できるとしている。これは開発元のjCOM1が、すでにIFRSの適用が始まっている独に本社があり、企業のIFRS対応が大きな課題になっていることを受けたものだ。

 日本でもIFRSが適用されると、業務が変わるとともに経営も大きく変わることが想定され、会計プロセスも大きく変化すると見られている。そのため、企業の現存のシステム、たとえば会計システムやレポーティング機能の改修だけでは不十分と見られている。新版のjCOM1では、IFRS適用で求められる経理や営業などの業務プロセスの変更に迅速に対応して、継続的に改善、管理するBPMとして必要な機能を提供できるとしている。

 jCOM1は独jCOM1が開発、パワードが2009年2月から国内提供している。jCOM1は、コミュニケーションを中心に据えて人や組織を基点にプロセスを描く手法の“サブジェクト指向”BPM(Subject-oriented BPM:S-BPM)と言う。

 S-BPMは、従来のオブジェクト指向と違い、業務に関係するユーザー間のコミュニケーションフローを中心に据えている。ユーザーが作業の流れの中の一機能だけではなく、プロセス全体を実行するという認識がベースになっている。S-BPMのユーザー企業は、業務に関係するユーザーのモチベーションを向上しつつ、作業時間やコストを削減、同時にビジネスの柔軟性を向上させ、現場での業務統合や法令順守(コンプライアンス)の簡素化が実現できるとしている。

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