Dellは米国時間26日に、IntelのデュアルコアXeonプロセッサを搭載する初めてのサーバを発表する。Advanced Micro Devices(AMD)へのキャッチアップに向けた取り組みを進める両社にとって、これは重要な一歩だ。
Dellは新しい2.8GHzチップをすべてのデュアルプロセッサ搭載サーバと2種類のワークステーションに採用する。これらの製品は10月に出荷が開始されると、DellのNeil Hand(ワールドワイド・エンタープライズ・マーケティング担当バイスプレジデント)は述べている。同氏によると、Dellは出荷時まで、機密保持契約を交わした顧客だけから注文を受けつけるという。
それでも、両社はこの動きにより、AMDのOpteronを搭載するサーバを売り込むライバル企業に流れたかもしれない顧客に、より良い対応ができることになる。Intelのこのチップ(開発コード名:「Paxville」)は、もともと4プロセッサ搭載サーバ向けに設計されたプロセッサの新バージョンにあたる。
「2ウェイサーバのセグメントは、x86サーバ市場のなかでも飛び抜けて旨味のある部分だ。両社はこれまでこの最大のセグメントを見逃していた」とInsight 64アナリストのNathan Brookwoodは述べている。
AMDは4月にデュアルコアのOpteronプロセッサを投入した。このチップは、サーバ販売上位4社のうち、Sun Microsystems、Hewlett-Packard、IBMの3社のマシンに採用されている。Intelは現在、数多くのデュアルコア/マルチコアプロセッサを開発しているところだが、同社初のサーバ用デュアルコアチップはリリースを今年中に予定している。
Dellによる発表は、Intelの同プロセッサ公開に先立って行われるが、それと同じ日にAMDはOpteronプロセッサの高速化を発表する予定だ。
2.8GHzで動作するデュアルコアのXeonは、処理能力の点での3.6GHzのシングルコアXeonを上回ることがいくつかのサーバテストでわかっている。これはデュアルコアチップが同時に複数のタスクを処理する能力で勝っているためだ。MicrosoftのExchangeを例にとると、デュアルコアチップ搭載サーバでは処理速度が18%向上する。またデータベースソフトウェアでは37%、Javaアプリケーションでは43%の処理能力改善がみられるとDellでは説明している。
デュアルコアチップは通常、動作速度の点でシングルコアチップを下回るため、消費電力や発熱量を低く抑えられるメリットがある。この特性に、プロセッサの通信に関する適切なエンジニアリングを組み合わせることで、Dellや競合企業各社は、これまでシングルコアチップと搭載していたシステムにそのままデュアルコアチップを搭載することが可能になる。
Dellは同チップを搭載する4つのサーバを用意する。高さ1.75インチ(約4.5cm)の「PowerEdge 1850」、ブレードサーバの「PowerEdge 1855」、高さ3.5インチ(約8.9cm)の「PowerEdge 2850」、それに独立型の「PowerEdge 2800」の4つだ。それぞれのベース価格は、2448ドル、2448ドル、2548ドル、2748ドルとなっている。またワークステーションの「Precision 470」および「Precision 670」のベース価格はそれぞれ2479ドルと2779ドルとなる。
Handによると、Dellはシングルコア搭載サーバの価格を据え置くものの、デュアルコア搭載モデルの価格増加は、性能の向上分を考えるとかなり少ないという。
なお、これらのサーバには、Red Hat Enterprise LinuxもしくはWindows Server 2003が搭載される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ