独SAPは、Siebel Systems製品から同等のSAPビジネスアプリケーションに乗り換える企業に対して、ソフトウェア価格の値引きを開始した。
SAPが開始した「Safe Passage」と呼ばれるこの値引きプログラムは、OracleによるSiebel買収後にSiebel顧客情報システムのサポート・開発体制がどうなるかを心配している企業に照準をあてたもの。
プログラムの一貫として、米国内のSiebelの顧客企業が同等のSAPソフトウェアを購入する際には、その企業がSiebelに支払っているライセンス料の75%までの金額をSAPが払い戻す。データ変換ツール、ソフトウェア導入サービス、教育なども用意されている。
「SAPの新プログラムは、OracleのSiebel買収から生じた不安と、買収後に直面する可能性のある問題点に立ち向かおうとしている企業に、安全な道(safe passage)を提供する」とSAPは声明の中で語った。
SAPは、今年初めにOracleがPeopleSoftを買収した際にも同様の値引きとサービスを導入した。その後、このサービスの提供先を、やはり今はOracleの傘下にあるJ.D. EdwardsやRetekのソフトウェアユーザーにも拡大した。
Oracleは、会計ソフトから、購買、受注管理、販売用にいたるまで、多数のソフトウェアを提供する世界最大のビジネスオートメーションソフトウェアサプライヤーSAPを追い抜くことを目標に掲げている。買収を通じた拡大をその戦略とする同社は今年、ビジネスオートメーション分野の大手ライバル企業をいくつか買収した。
Oracleの顧客は最近、同社の一連の企業買収について、また買収した企業を管理する能力について、多少の懸念を示している。しかし、SAPへの移行を実際に始めた顧客は、まだいないと思われる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ