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2006年の注目は「日本版SOX法」と「見える化」 - (page 2)

山下竜大(編集部)

2005-12-31 08:00

 しかし性能が向上する一方で、プロセッサからの発熱や消費電力の増大により、ユーザー企業は新たな課題を抱えることとなった。企業によっては、運用管理コストの大部分が発熱を抑える空調設備費と電気代に消えてしまうという状況も発生していた。

 そこで、インテルはもちろん、AMDやサンなどのは、従来の1プロセッサに1つのコアが搭載されたプロセッサの開発から、1つのプロセッサの中に複数のコアを持つ「マルチコア」のプロセッサ開発で新たな戦いをスタートした。コアとは、命令や演算などを行うための部品だ。

 この分野で先行したAMDは、高性能でありながら低消費電力の製品群が評価され、これまで独占に近かったインテルのPCおよびIAサーバの牙城を崩し始めている。低消費電力にすることで、プロセッサの発熱量を抑え、電気代を削減し、サーバの集積密度を上げることができるので、TCO(総保有コスト)を削減することができるのがAMD躍進の最大の理由だ。

 また、サンも開発コード名「Niagara」と呼ばれていた「UltraSparc T1」を発表することでAMDと同様の戦略を展開。インテルへの戦いを挑んでいる。このような状況から2005年の半導体市場では、クールな戦いが熱く繰り広げられた。

2006年の注目は「日本版SOX法」と「見える化」

 それでは、2006年はどのような流行語が登場するだろう。「SOA」の3連覇はすでに紹介したとおりだが、それ以外では「日本版SOX法」および「見える化(可視化)」が注目されるのではないかと予測している。

 「日本版SOX法」を2006年の注目キーワードに選んだのは、この法律は2008年3月期からの導入が予定されており、そのためには2006年4月より対応が必要になるためだ。日本版SOX法は、企業統治を監査するための新制度であり、西武鉄道の有価証券虚偽記載やカネボウなどの粉飾決算などを教訓に、金融庁が策定を急いでいる。

 先行する米国SOX法は、監視活動、情報と伝達、統制活動、リスク評価、統制環境という5つの要素で構成されているが、日本ではさらに“情報技術(IT)を活用した統制”が加えられているのが特長。すでに多くのITベンダーが、日本版SOX法への取り組みを推進している。

 一方、「見える化」に注目したのは、年末近くに来てこの言葉を聞く機会が多くなってきたためだ。2005年10月には「見える化−強い企業をつくる“見える”仕組み」(著者:遠藤功/東洋経済新報社)という書籍も発刊されている。

 この「見える化」という言葉は、実は新しい言葉ではない。トヨタ自動車が企業改革における取り組みのひとつとして導入したものだ。「見える化」とは、ビジネスにおける問題を常に見えるようにしておくことで、問題が発生しない環境を作るとともに、問題が発生してもすぐに対処できる状態を保つ取り組みだ。これにより、コスト上の無駄や改善の余地がどこにあるかなどを明確にできる。

 トヨタの見える化では、人の流れやオフィス環境など、ビジネスの側面からの「見える化」が中心となっている。しかし、2006年に注目が予想される「見える化」は、ITを活用して「見える化」を促進する、あるいはITシステムそのものを「見える化」することで、強固で信頼性の高いITシステムを実現し、ビジネスの変化に効率的に対応するITの側面からの取り組みが中心となる。

 これは、企業統治を監査(見える化)するために、米国SOX法の5つの要素に「ITを活用した統制」という要素を付け加えた日本版SOX法にも通じる考えと言える。つまり2006年は、より一層ビジネスの側面からのIT活用を意識したキーワードが注目され、流行語として登場することになるだろう。

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