IPAは4月5日、2006年3月のコンピュータウイルスと不正アクセスの届出状況を発表した。
発表によれば、3月のウイルスの検出数は約256万個と、2月の約256万個と同水準での推移となった。また、3月の届出件数は4270件となり、2月の4324件から1.2%の減少となった。検出数の1位は、W32/Netskyで約203万個、2位はW32/Mytobで約29万個、3位はW32/Bagleで約9万個だった。
3月の不正アクセス届出件数は38件で、そのうち被害のあった件数は10件だった。被害届出の内訳は、侵入6件、その他の被害4件となっている。侵入届出のうち、ウェブサーバに侵入されてフィッシングに悪用するためのウェブコンテンツを設置された届出が1件、SSHで使用するポートへの攻撃を受けた結果侵入されたという届出が1件あった。不正アクセスに関連した相談件数は24件(うち7件は届出件数としてもカウント)であり、そのうち何らかの被害のあった件数は12件だった。
IPAでは、最近のファイル交換ソフト(Winny)ネットワークを介して感染するウイルス(W32/Antinny)等による情報漏えい問題に対応して、予防対処方法情報を提供するために、3月20日にWinny緊急相談窓口(Winny119番)を新たに開設した。この影響もあってか、3月の相談総件数は1056件と激増した。そのうち、Winnyに関連する相談は196件で、2月の3件から大きく増えている。2月には168件あった「ワンクリック不正請求」に関する相談は131件だった。
また、インターネット定点観測(TALOT2)によると、3月の期待しない(一方的な)アクセスの総数は、10観測点で39万2728件あった。1観測点で1日あたり301の発信元から1267件のアクセスがあったことになる。