「アプリケーションの仮想化ではかなり深いレベルまで到達している」とCitrixの幹部

山下竜大(編集部)

2006-05-29 21:47

 Citrix Systemsでは現在、クライアント/サーバ(C/S)アプリケーションの「仮想化(Virtualization)」、ウェブアプリケーションの「最適化(Optimization)」、デスクトップアプリケーションの「ストリーミング(Streaming)」という3つの分野におけるアクセスプラットフォーム戦略を展開している。

 中でも「Citrix Presentation Server」を中心に、アプリケーションのパスワードを管理するシングルサインオン(SSO)製品である「Citrix Password Manager」、SSL VPN製品である「Citrix Access Gateway」の3製品で構成される「Citrix Access Suite」により実現されるC/Sアプリケーションの仮想化の分野は、今後も同社のビジネスの中核となることは間違いない。

 そこで、仮想化テクノロジを推進するCitrixのAccess Management GroupシニアバイスプレジデントであるR. Scott Herren氏に、仮想化テクノロジの現状と今後の戦略について話しを聞いた。

--Citrixの仮想化テクノロジ戦略について聞かせてください。

 仮想化という技術は、さまざまな分野において注目度の高い技術だと思います。仮想化の基本的な定義としては、物理的な部分と論理的な部分を分離して、いかに論理的に最適化できるかということになるでしょう。

 現在、仮想化の技術は、ネットワークからOS、ストレージ、アプリケーションまで、非常に広い分野で利用されています。そのためひと言で仮想化といっても、どの分野の仮想化なのかということを、まずは明確にしておく必要があります。

 たとえばネットワーク環境では、VPNという技術がありますが、これは公衆回線を仮想的に専用回線のように利用することで、高いセキュリティを安価に実現できるという仕組みです。

 また、OS環境においては、1台のPC上にバーチャルマシンを構築することで、Windows環境とLinux環境など、複数のOSを稼働させ、複数のアプリケーションを動作させることが可能になります。

 それをふまえて、Citrixの仮想化テクノロジ戦略ですが、目指しているのはアプリケーションの仮想化です。

 アプリケーションの仮想化とは、アプリケーションの物理的な稼働環境と論理的な稼働環境を分離することで、どこからでもアプリケーションを利用可能にする仕組みです。一般的には、アプリケーションを使用する場合には、クライアントPC上にアプリケーションをインストールしなければなりません。

 しかし、Citrix Presentation Serverを使用することで、アプリケーションはサーバ上で稼働させ、そのアプリケーションにアクセスすることで、あたかもクライアントPCにアプリケーションがインストールされているかのように使用できる仕組みを実現します。このアプリケーションの仮想化を、さらに充実させていくのがCitrixの仮想化テクノロジ戦略です。

 Citrixは、仮想化という言葉が使われる前から、仮想化テクノロジに取り組んできた経験と実績、そして多くのノウハウを持っているのです。

--アプリケーションの仮想化によりどのようなメリットがあるのでしょう。

 アプリケーションを仮想化することで、まずはアプリケーションを一元的に管理することが可能になります。これにより、管理コストや運用コストなど、さまざまなコストを削減することが可能になります。

 また、クライアントPCにアプリケーションをインストールする必要がないので、高い柔軟性を実現できます。具体的には、クライアントOSやデバイスに依存することなく、ブラウザさえ使用できればすべてのアプリケーションを利用することが可能になります。

 デバイスに依存しないということは、運用コストを大幅に削減することが可能です。たとえば、1000名のユーザーに一斉にWindows 2000を使わせたいと思った場合、従来であればクライアント1台ごとにOSをインストールし、環境を設定し、アプリケーションを導入しなければなりませんでした。

 しかし、仮想化テクノロジを使用することで、Windows 2000サーバ1台だけを構築すれば、すぐに1000名のユーザーがWindows 2000環境を使用可能になるのです。このとき、通常ではWindows 2000を導入できない古いPCであっても、最新のOS環境でアプリケーションを使用することが可能です。

 さらに、最大の特長として、仮想化テクノロジを採用することで、アプリケーション環境を非常にセキュアにすることができます。

 仮想化テクノロジでは、実際のデータはサーバ上にあり、クライアントPCには処理結果の画面イメージを送るだけなので、データがクライアント側に残ることがなく、安全な環境でアプリケーションを使用することが可能です。

 このとき、画面イメージだけを送り、データは送らないので、ネットワークの帯域幅も小さくて済み、高いパフォーマンスも期待できます。そのほか、リモートアクセスにも利用できるなど、アプリケーションの仮想化には、非常に多くのメリットがあるのです。

シトリックスのヘレン氏 「アプリケーションの仮想化において、Citrixはかなり深いレベルまで到達している」とHerren氏。

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