「最高情報責任者(CIO)のフォーカスはテクノロジーからビジネスに転換している」――。ガートナー ジャパンが8月28日に発表した調査結果を見ると、CIOの意識が変わりつつあることがわかる。
調査は同社の事業部門である「エグゼクティブプログラム(EXP)」が毎年実施しているもの。2002年から2004年まで、プロセス改革によるコスト削減、セキュリティ、ITガバナンスといった内部の要求がテクノロジーに対する期待を形成しているという見方が、CIOの多数を占めていた。
ところが、全世界で約1400人のCIOから回答を得た2006年の調査では、「顧客」と「市場ニーズ」という社外からの要求が圧力となり、テクノロジーへの期待が形成されているとするCIOの見方が明らかになった。ガートナーでは、外部からの要求圧力に立ち向かうことで、CIOと社内IT部門がテクノロジーからビジネスそのものにフォーカスを転換させたことと同義であると見ている。
これにより、CIOは社内の期待に応じて間接的にビジネスに貢献するだけではなく、ビジネスの成長や拡大に直接的に貢献することになる。ガートナーはさらに、CIOが製品やサービスの革新に対して重大な発言権を持ち、ビジネス部門をリードして業務を遂行し成果を挙げることで地位を向上させると予測している。