ZendとMicrosoftは米国時間10月31日、動的ウェブページ作成に使われるZendのオープンソースPHPソフトウェアを改良するための提携を発表した。
Zendの共同創設者兼技術担当バイスプレジデントであるAndi Gutmans氏は、31日に開催のZend/PHPカンファレンスにおいて、PHPソフトウェアの信頼性を向上させ、Windowsサーバ上での速度を2〜3倍加速させる改良内容を発表すると述べていた。同氏によると、PHPの稼動プラットフォームとしてより一般的な「Linuxとほぼ同レベルの性能を達成することができた」という。
PHPは、カスタマイズされたウェブページを作成するために使用される。Linux、Webサーバソフトウェアの「Apache」、データベースソフトウェアの「MySQL」とPHPソフトウェアを組み合わせて使用することが多く、そのようなパッケージは頭文字をとってLAMPと呼ばれている。
MicrosoftとZendでは、LinuxとApacheの代わりにWindowsと「Internet Information Server(IIS)」を利用した「WIMPスタック」がある程度脚光を浴びるとにらんでいる。Zendは今回のカンファレンスで技術プレビュー版を発表している。
以前は避けていたオープンソースソフトウェアにMicrosoftが対応し始めたというだけではなく、オープンソース企業側もMicrosoftとの共同開発を望んだということで、今回の動きは、ある種の現実主義が広まってきていることを示している。
IlluminataのアナリストGordon Haff氏は、「数年前はMicrosoftに言わせれば、同社の世界観にそぐわない言語やOSは消してしまえという感じであった」と言う。「今ではMicrosoftはより現実的になり、LinuxやPHPなどが消えることはないと認識しているのだと思う。したがって少なくとも共存していくことがMicrosoftとしても最善策となる」(Haff氏)
Microsoftのテクニカルプラットフォームストラテジー担当ゼネラルマネージャーであるBill Hilf氏によると、複数年に及ぶZendとの提携では、MicrosoftのActive Directoryや管理ツールとの統合など、その他の分野の連携作業についても検討するという。
もう1つ検討されているのは、MySQLをMicrosoftのデータベースソフトウェア「SQL Server」に置き換えることである。これが実現すればおそらく略語はWISPとなる。ZendはすでにOracleおよびIBMともデータベースに関する提携を結んでいる。
Microsoftは、PHPに相当する独自のActive Server Pages(ASP)技術を持っている。同社は積極的にこの技術の開発を続ける、とHilf氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ