日本IBMは4月19日、オープン・メインフレーム「IBM System z」においてオンデマンド・コンピューティングを実現する機能の拡張を発表した。各機能拡張は5月8日から提供される。
今回の機能拡張では、論理区画(Logical Partitioning:LPAR)グループキャパシティ制限機能を追加し、オン/オフ・キャパシティ・オンデマンド機能(On/Off Capacity on Demand:OOCoD)を拡張。システム全体の利用効率とシステム運用の柔軟性を向上させた。
LPARグループキャパシティ制限機能は、複数の論理区画をグループとして管理する機能。従来は、論理区画ごとに上限値を設定していたプロセッサ資源をグループ内で相互に有効活用できる。
OOCoDは、System zに搭載している複数の予備プロセッサを自動的に追加利用するために、あらかじめ追加利用したいパターンをシステムに登録しておく機能。これまでは1レコードのみ登録できたが、今回は登録数を100レコードにまで拡張する。
また、消費電力見積もりツールおよび消費電力監視機能を追加。マシンモデルと使用しているメモリやI/O構成を入力するだけで、システムの消費電力予想を計算できるようにした。
ハードウェア管理コンソール(HMC)の「System Activity Display」で、システム運用中の消費電力とマシンルームの温度が表示可能。これにより、システム運用のコスト予測や効率化の検討や計画立案に貢献できるという。
今回の機能拡張が適用されるのは、エンタープライズモデル「IBM System z9 Enterprise Class」とミッドレンジモデル「IBM System z9 Business Class」。後者は今回の機能強化により、非常時にバックアップシステムを自動的にメインシステムと同等レベルのスペックで使える機能が追加された。