Sun Microsystemsは5月8日、カリフォルニア州サンフランシスコのモスコーニセンターにおいてJava開発者向けの一大イベント「2007 JavaOne Conference」を開幕。基調講演に同社のソフトウェア担当エグゼクティブバイスプレジデントであるRich Green氏が登場し、すでに報道されているコンシューマ機器向けJavaアプリケーション開発環境「Java FX」をはじめとするJavaテクノロジの最新アップデートについて紹介した。
今回のJavaOneのテーマは、「Open Possibilities(オープンの可能性)」。同社は2006年11月にJavaテクノロジをGNU General Public License(GPL)バージョン2のもとで公開することを発表。その後、初めての開始となる今回のJavaOneでは、その可能性を探ろうと言うわけだ。Javaのオープンソース化への関心は高く、今回のJavaOneには1万5000人を超えるJava開発者が集合するという。
Green氏は、まずJavaの現状について紹介。1995年に登場したJavaは12年を経て、開発者数600万人、55億台のデバイス、250万の企業システム、8億台のデスクトップ環境、20億台の携帯電話、1100万台の家電製品に組み込まれているという。同氏は、「Javaの成功は、多くのJava開発者が参加(Participation)してくれた結果だ。Javaの世界は12年たった今でもさらに加速している」と話している。
さらに加速するJavaの世界においてまず紹介されたのが、Java Enterprise Edition 5をベースとしたオープンソースのアプリケーションサーバ「GlassFish」コミュニティの成果について。GlassFishは現在、バージョン2.0のベータ版が提供されている。最新バージョンでは、JRubyをはじめとする企業システム開発向けのスクリプト言語がサポートされたほか、SolarisやWindowsはもちろん、Linux、Mac OS Xにも対応する。
特に革新的なのはエンタープライズ分野および次世代ネットワーク環境(IP Multimedia Subsystem:IMS)のためのマルチメディアサービスをサポートしたこと。具体的な成果として、EricsonがGlassFishをベースとした初のSIPサーバ「Sun Java System Communications Application Server」を公開したことが発表された。
また、Sun Java Real-Time Systemの取り組みとして、NASDAQの取り組みを紹介。NASDAQでは、Sun Java Real-Time Systemを活用することで、1秒間に15万トランザクション以上の処理能力を実現していることが紹介された。Sun Java Real-Time Systemは、金融はもちろん、通信、航空宇宙、半導体など、数多くの分野で採用されている。