通信機器メーカーのAvayaが、会社の全部または一部の売却を検討しており、プライベートエクイティーやストラテジックバイヤーたちと交渉中であると、The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間5月28日、関係筋の話として報じている。
交渉中のプライベートエクイティーとしてWSJではSilver Lake Partnersの名を挙げている。また、過去にはAvayaがNortel Networksなどの企業とも接触したことがあり、条件が折り合わずに交渉が一時決裂したこと、そしてNortelとは今も接触中であることも、伝えられている。
Avayaは25日、31日に開催予定だったアナリストミーティングの延期を発表しており、新たな開催予定日も延期理由も明らかにされていない。米国では、このことがこのうわさに拍車をかけているようだ。
Avayaは、ベル研究所を有する通信機器メーカーLucent Technologiesから2000年にスピンオフした企業(Lucentはその後の2006年、Alcatelと合併している)。ベル研究所が取得したスピンオフ前の1600の特許が現在Avayaの製品に生かされている。同社は企業向けコミュニケーションソフトウェアやシステム、サービスのインテグレーション、設計製造販売も行っており、特にIPテレフォニー、コンタクトセンター分野を強みとしている。
Avayaはドットコムバブル崩壊後の不振にあえいだが、2006年の通期決算では、売り上げ51億4800万ドル、純利益2億100万ドルを計上している。WSJでは、Avayaの時価総額を61億8000万ドルとしている。