「Linuxシステムが大規模化しており、クラスタソフトへのニーズは高まっています。そこでシステムインテグレータやISVの方々、そしてハードウェアも絡んできますのでIHVの方々との関係も非常に重要だと考え、それぞれの関係を強化するためにこのプログラムを作りました。この3つのカテゴリーのパートナーと関係を強化したいと思っています」
喜多社長の言葉にあるように、このLifeKeeperビジネスパートナープログラムは、LifeKeeperを採用するシステムインテグレータやディストリビュータ向けのプログラム。サイオスが独自のサービスを提供し、パートナーのビジネスチャンスの創出とエンドユーザの信頼獲得を支援するというものだ。
LifeKeeper SIパートナー、LifeKeeper SI & サポートパートナー、LifeKeeperディストリビューションパートナーに合わせたプログラムが用意され、すでに約50社が同プログラムに参画している。
「OSSの悩み、何でも受け付けます」
SteelEyeの事業は同社の新たなドライブフォースには違いないが、既存のサポートサービス事業も順調のようだ。喜多社長はこう語る。
「ある調査データによると、国内のLinuxディストリビューションのサポートサービスで、当社は全契約本数の約3分の1を占めています。Linux市場は年率2〜3割程度の伸びが予想されていますから、今後同社のサポート事業もその程度の伸びが見込まれるということです」
しかし、このサポートサービスの将来についても、同社は市場そのものの拡大に頼っているだけではない。そこで打ち出したのが2007年5月に発表した「サイオスOSSよろず相談室」の設立だ。
「当社の強みは、やはりLinuxを含めたOSSに関してナレッジベースが大きいということです。そこで、このOSSよろず相談室を新設しました。これは、Linux OSをはじめとする40種類以上のOSSに関して、いろいろな相談受付をするというものです。よろずということですから、何でも来いということです。こうしたことは、他社ではなかなかできないと思いますよ」
市場には、同じようにサポートをうたっているサービスがあるが、しかしそれは対象となるOSSの数そのものが少ない。そこで、OSとミドルウェアの検証済み組み合わせ、いわゆるスタックでシステムを構築することになる。
「それでは、お客様のきめ細かな要求に応えることはできません。稼働検証した“間違いない”というものしか使えなくなってしまうからです。しかしお客様の現場は必ずしもスタックで満足できるものではなく、さまざまな要因から“このOSSのこのバージョンを使いたい”というケースが多いのです。しかも“現在稼働しているこのサーバのこのOSで大丈夫でしょうか”という問い合わせがよくあります。また、“やってみたら不具合がでた。どこが問題だろう”という問い合わせも多いのです。そうした疑問、質問に何でも答えるのがこのOSSよろず相談室なのです」
現在、同相談室は管理者1名、専任のエンジニア4名のほか、窓口のサポートエンジニア15名、兼務でOSS系のエンジニア10名強という体制。これらのエンジニアが疑問、質問に回答するとともに、場合によって実際に検証作業を行う。