IDC Japanは7月5日、2007年第1四半期の国内セキュリティアプライアンス市場を発表した。国内セキュリティアプライアンス市場全体の出荷金額は、前年同期比で6.4%上昇しているという。
同社ではセキュリティアプライアンス市場を、ファイアウォール/VPN、IDS/IPS、UTMなどの「脅威管理」、メールセキュリティ、ウェブフィルタリングの「セキュアコンテンツ管理」に分類している。
脅威管理アプライアンス市場は、出荷数こそ減少しているが、製品単価が上昇したことで、金額は増加している。
セキュアコンテンツ管理市場は、出荷金額で前年同期比37.9%となっている。これは2008年から施行される日本版SOX法・情報漏洩問題から、情報管理・法制対応の重要性が認識されているためと、同社は分析している。
セキュリティアプライアンス市場全体の2006年の前年比成長率は26.4%だったが、2007年から2011年までの年間平均成長率(Compound Annual Growth Rate:CAGR)は11.6%と同社では予測している。
この成長率は国内IT市場総計の同予測値1.7%を大きく上回り、同じくセキュリティの分野であるセキュリティソフトウェアの8.1%と比較しても高い成長率となっているという。
この理由として、セキュリティアプライアンス製品の需要に加えて、セキュリティ関連の人員不足とコスト削減の影響で、導入が比較的容易なアプライアンス製品への移行が進んでいるためとIDCでは見ている。
脅威管理市場は、前年同期比で出荷単価が上昇し、売上額が増加している。特に低価格帯の販売台数の多いUTMで、より高価格の製品需要が伸びており、 UTMが脅威管理市場でのシェアを拡大すると予測している。
一方のセキュアコンテンツ管理アプライアンス市場は法制対応、情報漏洩対策の需要が高く、セキュリティサービスにコンテンツ管理は不可欠となっており、今後はコンテンツ管理製品を持たない大手ベンダーによるM&Aやアライアンスが活発になると、同社では予測している。