SAPジャパンとアドビ システムズは7月18日、両社の協業関係を拡大することを発表。SAPのアプリケーションとアドビのPDFおよびFlashテクノロジなどを連携することで、日本市場における販売体制の強化を目指している。
両社は2004年より、アドビのPDFテクノロジをSAPのアプリケーションの入力画面として活用するためのソフトウェア「SAP Interactive Formes by Adobe」を共同で開発し、2005年より提供している。今回の協業ではさらに、「アドビ・コンピテンスセンター」をSAPジャパン社内に設立。SAPジャパンの営業活動を支援すると共に、新たなビジネス機会の創出を目指している。
SAP Interactive Formes by Adobeは、アドビのInteractive Formsテクノロジを採用することで、SAPのアプリケーションの入力画面をPDF形式のフォームとして実現することができるソフトウェア。業務システムにおける操作性の向上と、ビジネスユーザーの生産性向上が期待できる。同ソフトウェアは、SAPが推進するエンタープライズSOAを実行する基盤となる「SAP NetWeaver」に完全に準拠したコンポーネントのひとつとして提供されている。
また今回、新たに開設されたアドビ・コンピテンスセンターは、SAP Interactive Formes by Adobeのスキルを持つ両社の技術者およびプリセールス担当者12名で構成される。アドビはSAP Interactive Formes by Adobeに関する技術提供やトレーニングを提供することで、SAPのコンサルタントおよびパートナー企業の人材育成を担当。2007年7月より、新しい技術トレーニングコースも開始する。
SAPジャパンの代表取締役社長、Robert Enslin氏は、「“あなたの仕事を、あなたの方法で……”。ユーザーに最適なインターフェースで使用できるアプリケーションを提供するためには、アドビとの提携が鍵になる。アドビとの提携により、2007年上半期だけで昨年の8倍を売り上げている」と話す。
一方、アドビ システムズの代表取締役社長、Garrett J. Ilg氏は、「クリエイティブでパワフル、生産性を向上できるソリューションを提供。アライアンス戦略をさらに加速していきたい。両社の協業によるメリットを早期に提供できる体制を確立したい」と話している。