創業10周年のサイボウズが戦略発表「今後も安心して使い続けられる製品を」

柴田克己(編集部) 2007年08月09日 18時45分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 サイボウズは8月8日、事業戦略についての説明会を開催した。同日に創業10周年を迎えたサイボウズは、新たな事業戦略として「製品の2大ブランド化」と「リレーション・マーケティング」を展開するという。

 サイボウズ、代表取締役社長の青野慶久氏は、1997年に3名の社員でスタートした創業当時を振り返りつつ、改めて「情報サービスの大衆化」というサイボウズグループの企業理念を強調した。

青野慶久氏 サイボウズ、代表取締役社長の青野慶久氏。

 創業当初は、ウェブサイトからのダウンロードによる直販100%でスタートしたが、現在では主力となるグループウェア「サイボウズOffice」および「サイボウズガルーン」を合わせて、販売パートナー経由の間接販売による売上が69%を超える。また、2000年には東証マザーズに上場、2002年には東証2部、2006年には東証1部と市場を変更しながら企業規模を拡大し、現在では、12社の関連会社を持ち、連結で従業員数が700名を超えるグループへと成長している。

 青野氏は、2006年におけるグループウェア市場のシェアに関するリサーチ結果(ノークリサーチによる)を引用し、「Office」「ガルーン」を合わせたサイボウズ製品のシェアが、IBM Lotus Notesに次ぐ第2位(24.6%)にまで伸長したことを報告。2万5000社、250万人超のユーザーに対して謝意を述べると共に、「これからも長期にわたってサイボウズ製品を継続して使っていただけることを目指し、新たな事業戦略は、特に既存顧客との関係強化を意図したものである」とした。

「かんたん」と「ガルーン」の2ブランドを展開

 具体的な事業戦略として挙げられたのは「製品の2大ブランド化」と「リレーションマーケティング」である。

 2大ブランド化は、現在、製品の本数が増え、個々の製品の特性が理解しづらくなっているとの声に応えたもので、これにより同社の製品ラインは「サイボウズかんたんシリーズ」と「サイボウズガルーンシリーズ」に大別される。中小企業向けの「かんたんシリーズ」には、グループウェアの「サイボウズOffice」、ウェブデータベース「デヂエ」、グループメールシステム「メールワイズ」、国際化対応グループウェア「Share360」などが含まれる。一方の「ガルーンシリーズ」は、中堅大規模企業向けの製品ファミリーとなり、グループウェア「ガルーン」、「ブログ」、SFAシステムの「ドットセールス」、「ワークフロー」などがラインアップされる。

 リレーションマーケティングの強化は、既存顧客の長期的な確保を目指したもので、ユーザーに対する電話サポートによる利用促進、ユーザーコミュニティの開設、ユーザーイベントの開催等が企画されているという。また、既存顧客に対して「かんたんシリーズ」の製品を抽選により88本限定で1本8080円で販売するというキャンペーンも行う。これらの施策により、既存顧客との関係強化を図っていきたいとする。

ラボでの新たな取り組み「Pathtraq」

 8日の戦略発表には、関連会社の代表も顔をそろえ、その中で、サイボウズ・ラボが提供する新たなサービス「Pathtraq」(http://pathtraq.com/)が発表された。

 Pathtraqは、ユーザーが同サービスのサイトからダウンロードできるInternet ExplorerおよびMozilla FireFox向けのプラグインを利用して、ユーザーのウェブページに対するアクセス履歴を収集。結果のサマリを統計情報としてPathtraqサイト上で閲覧できるというもの。

 ウェブページに対する評価システムとしては、リンク解析やソーシャルブックマークといった試みが既に行われているが、これらの仕組みでは、積極的にリンクやブックマークなどを行わない「サイレントマジョリティ」と呼ばれる層の動向が反映されにくいといった側面もあった。

 Pathtraqでは、ページへのアクセスという能動的なユーザーの行動を自動的に収集することで、ソーシャルブックマークなどから得られるものとは性質を異にする指標の確立を目指す。

 プライバシー面についても考慮されている。Pathtraqでは、収集したアクセスの統計情報のみを保存し、ユーザーの行動追跡などは行わない。また、アクセス元のIPアドレスはスパマー対策のためにハッシュ化されたURLとともに、メモリ上に1時間蓄積され、その後自動的に消去される。さらに、ユーザーはPathtraqによるログ収集機能を、自らの意思で一時的に停止することも可能だ。

 サイボウズ・ラボでは、今後1カ月で1万人のインストールを目標としている。研究段階のため、ビジネス化などについての詳細は未定だ。

サイボウズグループ 創業10周年を記念した戦略発表会。サイボウズグループ各社の代表が一堂に会した。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連キーワード
経営

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
ITアナリストが知る日本企業の「ITの盲点」
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]