「シマンテックは真の随までソフトウェア企業だ」──11月2日に開催されたシマンテックの年次カンファレンス「SymantecVision2007」で、Symantec会長兼CEOのJohn W. Thompson氏が報道関係者向けのQ&Aセッションでこのように答えた。
日本では7回目の開催となるSymantecVisionは、事前登録の段階で2,300名超の応募を集めるほどの規模に成長した。これはおそらく、金融商品取引法や新会社法の施行により、企業がITを活用して内部統制の強化を進めなければならない現状があるからであろう。
このような情勢のなか、ITリスクの管理サービスやコンサルティングサービスを次々に発表、提供し始めている同社は、それでも「ソフトウェア企業として活躍したい」(Thompson氏)という。
しかしながら、シマンテック代表取締役社長の木村裕之氏は、ハードウェアやソフトウェアのみを提供していくのではなく、アドバイザリも提供していかなければならないと指摘。Thompson氏も「ソフトウェアを補完する上では、サービスが非常に重要だ」と語り、認識を一つにしている。木村氏はZDNet Japanの取材に対して、「サービスはオープン・ザ・ドアに良い」と述べながらも、ソフトウェアカンパニーとしてのシマンテックを強調し、「サービス企業になるわけではない」と語っている。
同社はデータセンタからエンドポイントまでをカバーする製品群を保有しているが、ソフトウェアを補完するサービスとしては、「Storage United」構想を挙げることができるだろう。大規模で、ヘテロジニアスな環境にあるデータセンタのストレージプラットフォームを統合する構想で、管理の統合、ストレージとビジネスの統合なども視野に入れて提供していくという。導入にあたっては、日米欧とアジアパシフィックに約2400人のエンタープライズサポート要員と、1600人のサービス担当者を構えるSymantec Global Servicesのコンサルタントが、ストレージ環境の統一を支援していく。この取り組みに連なる製品としては、Veritas NetBackup 6.5、Veritas CommandCentral 5.0がある。
「ストレージ容量は2年ごとに倍になっているが、データがどれだけ利用されているか、どう利用されているかを、企業は把握できていない」とThompson氏。ある金融機関はデータの利用率を70%台と推定していたが、実際には20%台中盤の利用率だったという。
しかし、この数字は決して低くはなく「業界平均」なのだという。これを受け、Thompson氏は三菱東京UFJ銀行が電子メールとコンテンツをアーカイビングする製品「Symantec Enterprise Vault」を導入し、コスト削減に成功した事例を紹介している。