ブロケード コミュニケーションズ システムズはこのほど、ファイル・エリア・ネットワーク(FAN)ソフトソリューション「Brocade StorageX」のラインアップを、IBMのNAS製品「IBM System Storage N」シリーズ向けに「Virtual File Mnager」(VFM)として拡充したことを発表した。
VFMの主要機能は、異機種混在のファイルサーバ環境下でファイルアクセスの仮想化を実現するというもの。この機能を活用することで、Windows、UNIX、Linux、System Storage Nシリーズのどのストレージに格納されているデータに対しても、エンドユーザーに物理的な保存場所から切り離した単一の論理ビューを提供できる。
この機能によって、管理者はエンドユーザーのファイルアクセスに影響を与えることなく、ファイル環境をシンプルに管理できるようになる。また、VFMは、ファイル仮想化機能に加えて、サーバやストレージの統合、データ移行、ディザスタリカバリ/事業継続、リモート拠点のデータ管理、データ分類、レポーティングなどのための作業を自動化するポリシーベースの機能を備えている。
ここ最近、至るところでデータの爆発的増加にどう対応するかが話題になっている。この爆発的に増加を招いているのが、データベースに格納される構造化データとは別の、非構造化データの増大である。
この非構造化データとともに課題となっているのが、仮想化技術によるサーバ統合だ。サーバ統合自体はTCO削減上有効とされているのだが、課題とされているのが、サーバを仮想化したことでファイル環境が複雑化しているのである。
非構造化データの増加とサーバ仮想化でファイルアクセスの環境は複雑化し、その管理もしづらくなっているというのが、管理者にとっての課題となりつつあるのだ。
だが、事業継続管理(Business Continuity Management:BCM)や法令順守(コンプライアンス)、コスト削減圧力の高まりを受けて、企業のシステム管理では、ファイルデータをより効率的に、それでいて信頼性の高い環境で管理することが求められるようになっている。
今回のブロケードのラインアップ拡充は、こうした課題に対応するものとなっているのである。