サイト脆弱性をチェックしよう!--第7回:「ディレクトリトラバーサル」と「強制ブラウジング」 - (page 4)

池田雅一(テクマトリックス)

2007-12-14 21:01

検査手法

 この脆弱性の検査は、非常に簡単だ。脆弱性の原因によって若干方法は異なるが、いずれも問題となるURLに対してブラウザからアクセスできるかどうかを確認するだけでよい。データの保存場所に起因する場合は、ブラウザから直接保存場所にアクセスできるかどうかで確認する。

 たとえば、検査対象ホスト名が「www.example.com」、データの保存場所がウェブサーバのドキュメントルート上のディレクトリ「/data/」であり、そのファイルが「user.csv」である場合、以下のようなURLに対してブラウザでアクセスし、閲覧可能かどうかで判断する。

 http://www.example.com/data/user.csv

 閲覧が可能な場合は、この脆弱性が存在する。

 一方、セッション管理の問題に起因する場合は、ログインしていない状態で、ログイン後の画面にアクセスする。その結果、正常にアクセス可能であれば、この脆弱性が存在すると判断できる。

対策

 データの保存場所に起因する場合の対策は、外部からアクセスできる場所であるウェブサーバのドキュメントルート上に機密情報を格納しないことだ。レンタルスペースなどで、ドキュメントルート上以外にファイルを保存できない場合、該当ファイルにブラウザでアクセスできないようにアクセス制御を行う。

 たとえば、Apacheの場合、「.htaccess」ファイルにて設定を行うことで制御することが可能だ。

 一時ファイルからシステム内部の情報が漏えいする危険性があるため、長期間保存する必要があるファイルだけでなく、一時ファイルの保存場所についても、外部からアクセスできない場所にしておく必要がある。

 セッション管理の問題に起因する場合の対策では、ログインしているかどうか全てのページで確認を行い、ログインしていない場合、ログインを促すページに転送するなどを行う。

 今回は、情報漏えいにつながる可能性の高い脆弱性について説明した。次回は、セッション管理に起因する脆弱性について紹介する。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    KADOKAWAらの事例に学ぶ、2024年サイバー攻撃の傾向と対策

  2. セキュリティ

    MDMのよくある“12の悩み”を解決!Apple製品のMDMに「Jamf」を選ぶべき理由を教えます

  3. ビジネスアプリケーション

    生成AIをビジネスにどう活かす?基礎理解から活用事例までを網羅した実践ガイド

  4. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  5. セキュリティ

    「100人100通りの働き方」を目指すサイボウズが、従業員選択制のもとでMacを導入する真の価値

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]