IDC Japanは、2008年における日本のIT市場でカギとなる技術や市場トレンド、ベンダーの動きなどを10項目にまとめ、「2008年国内IT市場10大予測」として発表した。
この予測によれば、2008年の国内IT市場の年間成長率は前年比2.0%。これは、2004年以降、最も低い成長率であるという。IDC Japan、リサーチバイスプレジデントの佐伯純一氏は、この予測について「米国経済の不透明感や原材料費の値上がりによるマクロ経済へのネガティブインパクトが、IT投資に対しても影響を与えることは避けられない」とする。
そうした状況の中で、マクロ経済の影響を受けやすいSMB市場におけるIT投資への意識、SaaSの活用などが、2008年の市場を左右する大きな要因になるとされている。IDC Japanによる「2008年国内IT市場主要10項目」は以下の通りである。
1.オンデマンド型SaaSの利用がSMBを中心に急拡大する
2007年における郵貯銀行やKDDIなどのSaaS導入が、中小規模企業にとってSaaSを検討する十分な動機になった。SaaSの本格的な普及がSMBに与えるインパクトは、業務の効率化、生産性の向上、コスト削減など、直接的な効果と並行して、経営者にIT利用の効果を再認識させるきっかけになる。
2.サーバを中心に仮想化への取り組みが本格化する
電力消費の抑制に対する要請、分散したITシステムの管理集約化の必然性、仮想環境における管理ツールの充実といった要因から、サーバを中心とした仮想化への取り組みが盛んになる。ITベンダーは、グリーンITへの対応、システム管理の容易さ、投資対効果などに対する明確な説明を行うことにより、ユーザー企業をリードしていくことが求められる。