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散らばるNotes・サイボウズを統合:巨大複合企業大日本印刷の新ポータル - (page 2)

後藤大地(オングス)

2008-02-05 10:30

新ポータルシステムの開発はユーザからの要求など必然的な流れ

 もっとも気になる点は、情報基盤としてBEA AquaLogic User Interactionを採用した理由だ。

 DNPでは、これまでの経験から、運用中に随時変更、修正を行えるようなシステムを開発する必要があった。このため、パッケージの採用は費用対効果のうえで魅力的な選択肢となる。独自開発からパッケージ採用に切り替えた理由はそこにあるようだ。

 DNPはそれまで、すでにDomino Notes脱却プロジェクトを推進していた。Domino Notesは全社統一基盤になっておらず、導入した会社・部門と、そうでないところがあった。同じように、グループウェアのサイボウズを会社・部門で独自に導入しているところも多かったという。それぞれつながっておらず、バラバラという状況だ。あとから部署間の統合が必要になった場合、統合が簡単に実現できないという状況にあったのだ。

 旧ポータルのDNPwebは2001年から稼働していたが、2003年や2004年にはすでにユーザ側からシステムが古いという声が上がってきていた。このため、2005年から2006年頃にはリニューアルが必要だという認識はすでにあったという。こういった要望に応えるかたちで、BEA AquaLogic User Interactionを使った全社ポータルシステムの開発という運びになった。

50の製品から選び抜かれたBEA ALUI

吉田幸司氏 吉田幸司氏

 DNPではシステムの開発、運用、ユーザサポートを、それぞれのアプリケーションごとに実施してきている。開発した者が運用とサポートも実施しているため、ユーザの声がかなりわかった状態で運用していた。つまり改善点を蓄積していた状態にあった。

 加えて、従来のDNPwebのユーザビリティを評価し、改善余地の洗いだしを実施。ポータルのみならず、Microsoft Officeなども含め、ITシステムがどれだけ活用されているかを調査し、製造業としては標準的な水準にあることがわかったという。しかし調査の結果、コラボレーションに関する機能が弱いこともわかった。こうした分析結果も加味して50ほどの製品を選考し、Microsoft SharePoint ServerとBEA AquaLogic User Interactionが最終選考に残ったという。

 導入の条件としては、ポータルシステムに特化したものを採用することにしたという。グループウェアの機能は検討対象から省き、ポータルシステムとしてどこまで機能するかを検討対象とした。継続して使えるのが最も良いが、いずれにせよ約5年でシステム再考のタイミングとなる。5年後には同じ部分をそっくり入れ替えられるように考慮したというわけだ。

 Microsoft SharePoint Serverも優れた調査結果だったが、ActiveDirecoryの導入が完了していることが条件として上がっていたため、最終的に採用を見送ったという。そして、最終的に残った製品がBEA ALUI User Interactionだったわけだ。ポータルシステムとして十分に仕事をこなす点が高く評価されている。

 独自システムからパッケージシステムに移行したわけだが、パッケージシステムは基本機能がしっかりしていることを実感したという。善し悪しではあるのだが、導入したパッケージのバージョンアップに合わせてシステム更新を計画でき、ロードマップが定めやすいという特徴もあるという。ポータルにデータを貯める仕組みではなく、データをアプリケーションで保持するようにしている点も興味深い。ポータルはあくまでも接続のためのプラットフォームとして活用しようというわけだ。

業務改善へ向けてさらにシステム開発を

 大日本印刷の業務は多岐に渡るうえ、業務の内容も調査から制作、運用まで広範囲に渡る。

 たとえばひとつの例としてお菓子の箱ひとつをとってみても、箱の企画と制作、箱にQRコードを印字、QRコードからWebキャンペーンへの誘導など、調査・分析から企画・設計、制作・運用までを手がけることになる。従来は電話で相互に連絡をとっていたわけだが、複雑化する業務をより効率よくこなすための仕組みが必要だった。各層を接続し、業務ナレッジの共有、次の業務へのナレッジを伝えていく仕組みが必要になっている。このように業務を改善していくためにシステム開発計画が進められている。

既存の基盤業務システムはメインフレームで構築されている。これをオープンプラットフォームに変更していこうという取り組みも進められている。DNPの業務はいわば100%受注の開発製造だ。製造するプロダクトがすべてカスタマイズプロダクトとなる。このため同社の業務に適用できるBPMプロダクトが存在していないという。現在対応できるものをスクラッチから開発中だ。

また内部統制の流れをうまく使っていこうという取り組みにも注目だ。内部統制で資金の流れの可視化を実施し、業務の流れが見えるようになった。これをさらに進めて、見えてきたことから改善内容を考えようという雰囲気ににはなりつつあるという。業務を改善するために積極的にシステム開発を続けている、それが大日本印刷だ。

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