知らぬ悪魔(Windows 7)より知っている悪魔(Vista):フォレスター助言

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:菊地千枝子 2008年04月18日 15時40分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Forrester Researchはクライアントに対し、オペレーティングシステム(OS)の配備を計画する際にはWindows Vistaを飛ばさないようにアドバイスしている。しかしForresterはその理由のひとつとして、Vistaの後継製品であるWindows 7が間違いなく出遅れるからだとしているが、筆者の本によれば、そのような想定は正しくない。

 おかしな話だが、筆者はWindows 7が出遅れるとは思っていない――たとえMicrosoftの正確に予定を守ることに関する実績が底知れぬものであるとしてもだ。主な理由は:Steven Sinofsky氏である。Sinofsky氏はWindowsとWindows Live Engineeringのトップを務める。同氏はかつてOfficeの開発を管理していた。 Sinofsky氏が名声を得る最大の理由のひとつは電車を予定通りに走らせたことである。

 Sinofsky氏の実績と、Windows 7がVistaのマイナーなアップグレードとなりそうだという事実を組み合わせ、さらにMicrosoftが2010年を期日することで、ひと息つく時間をかなり多く設けたことを踏まえると、Windows 7の出荷が早くなることはあっても、遅れることはないと思うのだ。

 Forresterのアドバイスは、米国時間4月16日にリリースされた2つのVista関連の市場調査のなかでみられた。(このいずれも一定の顧客グループを対象とした調査に基づいていない。両方とも「Forresterがそのクライアントとそれらの計画について交わされた話に基づく事例的なもの」であると同社関係者は述べている。)

 「Windows Vistaの早期採用組から学んだ教訓:企業は最も一般的な移行上の課題をいかにして克服できるか(Lessons Learned From Early Adopters Of Windows Vista: How Businesses Can Overcome The Most Common Migration Challenges)」のなかで、Forresterのリサーチャーを務めるBenjamin Gray氏は、ビジネスユーザーに対しVistaへの移行を助けるチェックリストを提供している。この最終選考リストには、いくつかの常識的なヒントが含まれていた。たとえば「OSアップグレードを自然なPCリフレッシュサイクルと連携させ、ハードウェア互換性を確保する」や「独立ソフトウェアベンダーを完全に掌握し、アプリケーションの互換性を確保する」などだ。

 もうひとつの報告書「Windows Vistaのビジネスケースを構築する:まもなく移行を開始するための5つの理由(Building The Business Case For Windows Vista: Five Reasons to Start Your Migration Soon)」のなかでは、Gray氏はビジネスユーザーに対し、Windows 7を待ち、Windowsの旧リリースから直接Windows 7に飛び越すことのないようにアドバイスしている。MicrosoftはWindows 7を2010年に出荷すると述べている。

  Forresterは「大企業にとっては、(Vistaの移行に代わる)実現可能な代替策はない」と主張する。「われわれの最新のハードウェア調査によると、Microsoftのオペレーティングシステムは北米と欧州の企業PCの99%で利用されており、中小企業のPCの97%で利用されている」とGray氏はいう。同氏は「Mac OSX」と「Linux」は特定のニッチのみを対象とした代替品であると述べた。

 Gray氏はVista SP1が提供されたことと、Microsoftが7月1日にXPを新PCのほとんどで段階的に廃止する決定を下したこともまた、企業がVistaへ移行する計画を立てるべきだということの適切な理由となると述べた。Windows 7は概ね現時点では得体のしれないものだとGray氏は論じた:

 「率直に言えば、顧客はWindows 7についてほとんど何も知らない。提供が予定されている時期以外には、それがフルリリースになることを知っている。その意味?ビジネスバージョンと消費者バージョンが用意されるということだ――そしてMicrosoftのことだから、各々に複数のバージョンができるだろう。それはまた32ビットと64ビットコンピューティングの両方をサポートすると思われる。しかしMicrosoftは製品を予定通りに提供することにかけては前科が全くないわけではないことに留意することが大切だ。同社はまた、期限を守るために約束した機能を省略する傾向がある(例:Windows VistaからWinFSを除外)。皮肉なことに、Microsoftの最大の弱点のひとつ――デスクトップオペレーティングシステムの予測不可能なリリース予定――はMicrosoftがWindows 7を予定通り提供することについて信頼が不足している結果、Windows Vistaの採用が促されるであろう」(Gray氏)

 ほとんどの顧客がWindows 7についてほぼゼロに等しい情報しか得ていないことには疑いの余地がない。しかし、Forresterが、知っている悪魔(Vista)のほうが、未知の悪魔(Windows 7)よりはましだと言っていることには賛成できるか?

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
経営

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
ハードから読み解くITトレンド放談
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
Gartner Symposium
企業決算
ソフトウェア開発パラダイムの進化
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化