セキュリティに対する責任を求められるベンダー

文:Colin Barker(ZDNet.co.uk) 翻訳校正:石橋啓一郎

2008-05-09 08:00

 Infosecurity Europe 2008で、ハードウェアやソフトウェアのセキュリティについては、サプライヤーが責任を問われるべきだという専門家の意見が出た。

 セキュリティ専門家によれば、企業が自社のIT環境を安全にするために大変な労力を払わなくてはならない場合があると一方で、テクノロジーベンダーは自社のハードウェアやソフトウェアが十分な水準に達するように、より努力すべきだという。

 現地時間4月22日にInfosecurity Europe 2008で行われたパネルの議論では、セキュリティ専門家がずらりと並び、ハッカーが攻撃コードを発見している問題の責任はソフトウェアメーカーにあると非難した。「アプリケーションが新たな攻撃目標になっている」とSANS InstituteのAlan Paller氏述べ、あるOracleのユーザーは所有するシステムに対し8万回の攻撃を受けたと話した。

 Barclaysの最高情報セキュリティ責任者であるRhonda MacClean氏は、同氏の会社がサプライヤーから購入しているソフトウェアの大部分に対し定期的に行っているセキュリティに関するテストについて、詳しく説明した。

 「他の誰かが書いたソフトウェアを使っている場合でも、そのコードのセキュリティに対する責任からは逃れられない」とMacClean氏は述べ、定期的な更新やサービスパックが、社内のIT専門家の業務を困難なものにしていると付け加えた。「コードに慣れた途端に、次のバージョンが出てきてしまう」(MacClean氏)

 しかし、一部のソフトウェアメーカーのコードには問題があるにも関わらず、組織内で使うコードに対する究極的な責任はIT部門にある。

 「われわれはセキュリティに関するコードはA+の水準のものであって欲しいと考えている。しかし、われわれが(Barclaysで)コードをテストしてみると、多くのコードはC+の成績しか取れないものだ」(MacClean氏)

 MacClean氏によれば、この問題は比較的簡単に改善できるという。「われわれは(サプライヤーと)この問題について話しており、その結果よりよいコードを入手することができている」と、同氏は話している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    生成 AI の真価を引き出すアプリケーション戦略--ユースケースから導くアプローチ

  2. セキュリティ

    マンガで解説、「WAF」活用が脆弱性への応急処置に効果的である理由とは?

  3. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  4. セキュリティ

    5分で学ぶCIEMの基礎--なぜ今CIEM(クラウドインフラストラクチャ権限管理)が必要なのか?

  5. セキュリティ

    従来型のSIEMを使い続ける弊害とSOC運用を高度化するサイバーセキュリティ対策の進め方

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]