映像技術の強化で成長戦略を描く日本ビクター
日本ビクターは売上高が11.3%減の6584億円、営業利益は黒字転換し32億円、経常損失は赤字幅が縮小したものの79億円の赤字、当期純損失は475億円の赤字となった。
民生機器および産業機器の売り上げ減少、エンタテイメント事業の不振などが影響したことで減収となった。
部門別では、民生用機器の売上高が前年比13.6%減の4695億円。営業利益は41億円へと黒字転換した。主力のビデオカメラ、液晶テレビ、オーディオがいずれも市場競争の激化で苦戦し、前年を下回った。また、ブラウン管テレビ市場やD-ILAリアプロジェクションテレビの減少が響いたのが減収の要因。一方で、カーエレクトロニクス、AVアクセサリーが収益に貢献したという。
同社では今後、超薄型を特徴とする液晶テレビ「SLIM LINE」のラインアップを拡充するとともに、AVネットワーク・ホームシアターの提案を加速。新たなコンセプトを提案する姿勢を示した。
日本ビクター代表取締役社長の佐藤国彦氏は「ビクターのDNAといえる映像技術の強化を図り、民生機器事業の成長へとつなげたい」と話している。
2008年度の見通しは、売上高は9.6%減の5950億円、営業利益は145.2%増の80億円、経常利益は0、当期純利益も0。なかでも、ディスプレイ事業に関してはコストダウンや船井電機との協業強化などにより、2009年度の黒字化に向けた体質強化を図ることになる。
なお、同社では2010年度に連結売上高6110億円、営業利益200億円を目標に掲げている。