なぜMSは「Open Source Census」のスポンサーとなったのか?

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:菊地千枝子 2008年06月17日 13時50分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 企業によるオープンソースソフトウェアの使用の定量化を試みる共同プロジェクト「The Open Source Census」は米国時間6月16日、新たなスポンサーを加えた。それはMicrosoftである。

 (ほかのCensusのスポンサーとしては、なかでもActiveState、CollabNet、EnterpriseDB、IDC、OpenLogicとUnisysが含まれる。)

 Microsoft内のある部隊が同社のオープンソースソフトウェアに対する心構えを一転させようと試みていると考えるか、それとも懐疑的に、Microsoftはオープンソースの熱狂を囲い込んで鎮火させようとしていると考えて続けるか(あるいはその中間にいるのか)はともかくとして、まず最初に思い浮かぶ疑問は、Microsoftがなぜこの調査に加わったかという点である。

 Microsoftからの公式なサウンドバイトが、同社のオープンソースとLinuxチームのトップを務めるSam Ramji氏のご厚意により得られた:

 「わが社の顧客、パートナー、開発者はますます異種の環境で作業するようになっており、The Open Source Censusのような産業プロジェクトに参加することは、われわれが参加している生態系に関連している。」

 Censusではユーザーは自分あるいは自社の実名を特定することが要求されない。Censusサイトの「Frequently Asked Questions(FAQ)」ドキュメントによると、「われわれは現在IPアドレスを追跡しない」という。(この「現在」という文言は、外見上のプライバシーを好む向きには少々気がかりかもしれない。)

 そのかわりにCensusではOpenLogicのオープンソースツールである「OSS Discovery」をユーザーの組織のマシン上で動作させることにより、ユーザーがオープンソースの利用形態に関する情報を収集することを可能とする。Open Source Censusサイトによると:

 「スキャンされたマシン毎にスキャンレポートが作成される。これには発見されたオープンソースソフトウェアパッケージやバージョンのリストが含まれる。企業はそれをThe Open Source Censusに貢献するかどうかを判断する前に、これらのスキャンレポートを見直すことができる…」

 「Open Source Censusウェブサイトは、各オープンソースパッケージの普及率を示すCensusレポートを提供する。登録参加者は、各自のオープンソース一覧表を閲覧することができ、似たようなプロフィールをもつ他社を基準に自社を評価することができる。このデータにより企業は自社で使用しているオープンソースソフトウェアをサポートする方法を決定し、それらがオープンソースライセンスに準拠するように確保し、採用曲線より遅れているか、先行しているかを確認することができる。」

 最初の疑問に戻る。Censusのスポンサーは、普通の参加者よりも詳細なレポートを受け取るのだろうと推測する。昨年Censusが開始された際、このことはオープンソースコミュニティの一部では不和の種になっていた。

 そしてここでのライセンス遵守に関する言及に注意してほしい――オープンソースソフトウェアがMicrosoftの200以上の特許権を侵害すると主張していた同社にとって重大問題である。Censusの発見ツールは、Linuxマシンのオープンソースソフトウェアだけを検索するのではない。特にWindowsマシンにインストールされたオープンソースソフトウェアもスキャンするのだ。

 Microsoft関係者は、顧客のWindowsシステムとオープンソースシステムとの相互運用性を向上させる手助けをすることに関心があるために、同社はオープンソースの採用レベルやトレンドを知りたいのだと強調している。筆者はMicrosoftがまた、オープンソースソフトウェアが企業のどこで、どのようにして勢いを増しているのかについて理解を深め、競争力を高めたいことも確かだと思う。

 読者はどう思うか?MicrosoftはOpen Source Censusを支援することから何を得るだろうか?

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
経営

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
企業決算を追う
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化