編集部からのお知らせ
新型コロナ禍が組み替えるシステム
テレワーク関連記事一覧はこちら

アナリストが見るBIベンダーの「意味のある買収」と「わけのわからない買収」 - (page 2)

藤本京子(編集部)

2008-10-27 08:00

 独立系BIベンダーの生き残りは厳しいとする声もあるが、Sheedy氏は「SASのような大手であれば十分生き残るだろう」と話す。「SASは優れたBIプラットフォームを持っている上、特に分析の分野ではトップを走り続けている。データマネジメントツールも充実してきており、優良顧客も数多くついている」とSheedy氏。

 同社のプラットフォームについてSheedy氏は、「SASのソフトウェアを一部でも購入すれば、ユーザーはSASのプラットフォーム全体を手に入れたことになる。つまり、CRMの分析機能をSASから購入したユーザーが新たに人事関連の分析機能を購入したいと思った場合、すでにその機能はSASプラットフォームに組み込まれている。そのため新たなインテグレーションは必要なく、機能をオンにするだけで使えるようになる」と説明する。

 SASはあくまでもBI専業ベンダーのため、IBMのように情報マネジメントプラットフォーム全般をカバーしているわけではない。ただ、SASも広範囲なソリューションに対応するため、例えばデータウェアハウス分野でTeradataと提携するなど、自社にないソリューションはパートナーシップでカバーしている。それに、「現時点ではデータを全く活用できていない企業がまだ多い。そういう企業にとっては、SASの分析ツールを導入するだけでも十分意味がある」とSheedy氏は述べ、SASが強みとする分野だけでもまだ飽和状態に達していないとした。

今後のBIの方向性は?

 「BIの市場は確実に広がっている。顧客が欲しいという理由だけでBIベンダーを買収するのもわからないではないほどの成長率だ」とSheedy氏。しかし、市場の成長と同時に新しいイノベーションが求められていることも事実だ。BIのイノベーションの方向性についてSheedy氏は、「人間が判断するのではなく、アプリケーションがさまざまな判断をする組み込み分析や運用BIといわれる分野での発展が進むだろう」と話す。例えば、サプライチェーンではすでに実践されているように、在庫が一定の個数を切った場合自動的に発注システムが作動する、といったようなものだ。このように「人間がかかわらずしてアプリケーションが決断を下すといったことは、ほかにもさまざまな分野で活用できるはずだ」(Sheedy氏)という。

 こうした新しい分野に乗り出しているベンダーはいるのかとの問いにSheedy氏は、「SASはすでに充実した分析ツールを持っているため、この分野でもいいポジションにいる」という。ただし、この分野のソリューションは業界によって求められる機能も異なってくるため、業界別にカスタマイズが必要だ。SASが業界別ソリューションに力を入れているのもそのためだ。

 現在、いったん落ち着いているように見えるBI業界の買収だが、Sheedy氏は今後も統合の動きは続くと見ている。特定の業界に向けたニッチなソリューションのみを提供するBIベンダーが、さらなる業界別ソリューションを求める大手の買収ターゲットとなるのはもちろん、Sheedy氏はデータマネジメント市場も断片的になっていて統合の余地があると指摘する。BI市場の動きには当面目が離せそうにない。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

関連記事

関連キーワード
Forrester Research
経営

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    テレワークで起こりがちなトラブルの原因「資料が自宅から閲覧できない」にどう対処する?

  2. 経営

    CIOが成功するための最大の条件は「CEOとの連携」にあり?!516名のCIO調査を紐解く

  3. 経営

    【働き方改革事例】PCの調達・管理に関する不安を解決するサブスクリプションサービス

  4. クラウドコンピューティング

    【DX解説書】もっともDXに不向きな〇〇業界が取り組むべき改革とは?

  5. クラウドコンピューティング

    今すぐ「働き方改革」に着手するべき、2つの理由と改革への第一歩

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]