Windows Hardware Engineering Conference(WinHEC)において、Microsoftは「Windows 7」と「Windows Server 2008 Release 2(R2)」が真に一心同体であることを明らかにした。
WinHECの2日目の基調講演において、Windows Server and Solutionsのコーポレートバイスプレジデントを務めるBill Laing氏は、MicrosoftがWindows Server 2008 R2――別名Windows 7 Server――を来年あたりに出荷する際に提供する予定の新しい機能をいくつか披露した。そのなか含まれていたものは:最大256の論理プロセッサへの対応、ブランチオフィスキャッシング、「Bitlocker to Go」ドライブ暗号化、そしてその他の新技術でWindows 7と「一緒にするとさらによく」機能するように意図されたものである。
(実際の出荷目標に関する限りでは、先週MicrosoftのServer and Tools部門シニアバイスプレジデントを務めるBob Muglia氏は筆者に対し、同社の目標はWindows 7クライアントとサーバをタイミングに関してはできる限り近づけて提供することだと述べていた。「彼ら(Windowsクライントチーム)と同じ日に出荷する計画である」とMuglia氏は述べた。もしサーバチームが予定日を達成できれば、R2リリースは、関係者たちがそうする見込みだと述べているとおり、2010年ではなく、2009年中にリリースされるかもしれない。)
Laing氏は「Milestone 3」M3リリースの一環として、同社がテスターらに提供し始めていたWindows Server 2008 R2の機能を披露した。MicrosoftはWindows Server 2008 R2 M3を先週のProfessional Developer Conference(PDC)の参加者、そしてWinHECの参加者、またその他の顧客やパートナーに提供している。その機能には以下のようなものが含まれる:
- Direct Accessサポート、安全なコミュニケーションのためのVPN接続の必要性を排除する
- ブランチオフィスキャッシング(ホステッドサーバキャッシング)
- Version 2.0 PowerShellおよびHyper-Vリリース
- Server Coreの役割における.NetおよびPowerShellのサポート
- Hyper-V内のライブマイグレーションのサポート
- 「Terminal Services」の位置づけが改まり、「Remote Desktop Services」と改称される
Laing氏の1時間にわたる基調講演の主要なポイントのひとつは、Windows Server 2008 R2に含まれる予定の強化されたマルチプロセッシングへの対応である。(先週MicrosoftはChannel 9 ウェブサイトにWindows 7が最大256のプロセッサをサポートすることにもなるだろうと説明する動画を掲載した。)
Laing氏は、Microsoftが現在、同社のサーバ製品をコアベースではなくソケットまたはプロセッサベースでライセンスしていることを指摘した。マルチプルプロセッシングユニットは通常、物理プロセッサ上に存在する。論理プロセッサはデザインによってコアベースまたはスレッドベースにもなりうると、同氏は付け加えた。Windows Serverは現在、最大64個の論理プロセッサをサポートすることができる。R2リリースは、カーネル、アプリケーションプログラミングインターフェース、ツール、そしてユーザーインターフェースに対する変更の結果として、最大256個の論理プロセッサをサポートすることができるようになるとLaing氏は述べた。
Laing氏とMicrosoftのSQL Engineジェネラルマネージャーを務めるQuentin Clark氏は、Windows Server 2008 R2が論理プロセッサ192個のIBMサーバの上で動作するデモンストレーションを披露した。またHewlett-Packardによるプロセッサ256個のサーバ上でも披露した。2010年に予定されているSQL Serverの「Kilimanjaro」リリースでは、このマルチプロセッシングサポートを利用することができるようになると、Clark氏は述べた。すでにテストでは、Kilimanjaroはこれらの何百という論理プロセッサの上で一貫性をもって均等に負荷を処理しているとClark氏は付け加えた。
WindHECの2日目の基調講演の終わりには、Laing氏とその同僚が、「Hyper-V Version 2」に含まれる予定の新機能のいくつかを「ちらっとのぞき見」させた。これには第2レベルのアドレストランスレーション、最大32個の論理プロセッサ(Version 1での24個から増加)のサポート、「Live Migration」、コアパーキング(電力管理の目的でコア数を削減する)、TCP/IPプロセスオフローディング「Chimney」、そして「Virtual Machine Queue(VMQ)」サポートが含まれる予定だ。
読者はどう思いますか?(Microsoftが「マイナーな」アップデートだと述べている)Windows Server 2008 R2には――それがWindows 7を伴うか、伴わないか、いずれの場合でも――同リリースへの移行を検討するほど十分に新機能が含まれているか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ