マイクロソフト帝国はそんなに簡単に崩壊しない

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:菊地千枝子 2009年01月06日 12時17分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Microsoft嫌いの希望的観測があふれているにもかかわらず、Microsoftは1日にして崩壊することはないだろう。

 こちらで市場シェアの0.5%を失い、そちらでは顧客を失っているなどと、アナリスト、顧客、ブロガー、パートナーやその他が早計にもMicrosoftの不幸を食い物にしている話を読むと、筆者は同社には長いレガシーがあるのだということ、そして何層にも重なった脂肪がMicrosoftを全滅から守っているのだということを、彼らに思い出させたくなる。これはMicrosoft擁護者の話ではない。Microsoft現実主義者の話である。

 例えばクリスマス前に最初にMini-Microsoftのブログから浸透した1万5000人レイオフの噂をみてほしい。(そしてFudzillaなどの数多くのサイトのおかげで再浸透し続けている。)

 このような厳しい経済状況の折、Microsoftが何らかの緊縮方策やコスト節減策を講じると考えるのは突飛なことではない。実際に2008年終わりに、同社はすでにいくつかの事業部門において新規雇用の引締めを強化していた。

 Microsoftは同社が不安定な時期のなかでも、低コストの高ボリューム生産者で、荒れ狂う市況に持ちこたえることができる手堅い賭けであることを顧客に示したい。多数の人員をレイオフすることは金融観測筋を喜ばせるかもしれないが、Microsoftのパートナーや顧客には非常にネガティブな信号を送ることになるだろう。

 これをよく考えてほしい。Microsoftには実際に9万を超える従業員をいっさいレイオフしなくても、費用を削減できる方法が実に数多く存在する。筆者は決して同社がこれらを実施するように提唱しているわけではないが、理論的には最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏とMicrosoftには次ができるはずだ:

  • 同社の多様な部門で働く何百という請負業者を断つ。
  • 製品グループを統合し、あまり成功していないプロジェクトを段階的に廃止する。
  • 自然減を成り行きに任せる。
  • 雇用を減速させる。特に急速に成長している部門において。
  • 同社の伝統的に寛大な出張規定を引き締める。

 これらのコスト削減策がスコアカードにとりつかれた経理屋やウォール街のアナリストをなだめるに至らなければ、Microsoftは大規模レイオフを実施しなければならない前に、他にも無数の不人気な方策を設けることができるだろう。ここでもまた同社がこのいずれかを実施するように提唱しているわけではない。しかし同社はProヘルスクラブのメンバーシップ手当てを廃止し、従業員が医療コストに協力するように要請し、カフェテリアの価格を引き上げ、Wi-Fi対応のConnectorバスの乗車に料金を課すことすらできるだろう。(数年前に無料のタオルがなくなることをめぐりMicrosoftが不満で金切り声を上げたことを考えると、これらの変更策がどれでも設けられたときに、彼らがどう出るかを考えてみてほしいが!)

 Microsoftがレドモンドの要塞に高い塀と深い堀を作ったと認めることで、同社が決して転覆することはないと筆者が思っているわけではない。Microsoftはこれまで間違いを犯しており、今でも多くの間違いを犯している。ITセクターにおける全ての会社と同様の経済勢力の下に置かれている。しかし昨年600億ドルの収益をあげ、何万という周辺のパートナーや顧客から隔離した会社を廃絶させるには、Web 2.0の競争市場全体を一掃するよりも長い時間がかかるであろう。

 そのようなわけでMicrosoftは2009会計年度第2四半期の決算を1月22日に発表する前にレイオフを発表することになるだろうか?何だってありうることだ。しかしそれが起こったとすれば筆者は非常に驚くだろう。読者はどうですか?

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連キーワード
経営

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]