MicrosoftとRed Hatは、両社の各サーバオペレーティングシステムが、相互のハイバーバイザ上で動作するように保証する協定に署名した。
MicrosoftのオープンソースブログであるPort 25の記事によると、米国時間2月16日に発表された本協定には、2つの要素が含まれているという。Red HatがMicrosoftのServer Virtualization Validation Program(SVVP)に参加することと、Microsoftが仮想化の相互運用性とサポートについて、Red Hatのパートナーとなることである。MicrosoftのOpen Source Communityでマネージャーを務めるPeter Galli氏によると、Red Hatの認証プロセスが今年完了されれば、MicrosoftはRed Hat Hardware Certificationリストにも追加される予定であるという。
明確に述べると、今回新たに取り交わされたMicrosoftとRed Hatのパートナーシップは、MicrosoftとNovellが2年前に発表したものとは同じではない。今回はMicrosoftとRed Hatの新協定に特許保護条項は盛り込まれていない。つまりRed Hatは、Microsoftが潜在的な特許侵害について同社を提訴しないことを顧客に保証するという名目で、ライセンス供与することには合意していないという意味である。Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のためのサポート証明もMicrosoftが売る予定はない。
Galli氏によるPort 25ブログでの説明によると::
「このRed Hatとの合意は、われわれのサーバ仮想化を利用している相互の顧客のための共同技術サポートに特化したものである。したがって、そのような意味では、MicrosoftとNovellのパートナーシップが多次元的であったのに対し、今回の合意は1次元的であると考えてほしい。」
Red HatはすでにMicrosoftが支援するInteroperability Vendor Allianceに参加しているーーこれはソフトウェアとハードウェアのベンダによるグループで、顧客に代わってMicrosoftのシステムとの相互運用性を改善することにコミットしている。
アップデート:Burton GroupのアナリストであるRichard Jones氏は、16日の協定に対する制限は、Microsoftの製品が、Red HatのXenではゲストとして認証されないという1点であると指摘している。
「しかし、この勢いにただちに便乗しないでほしい。この発表の時点において得ることができる唯一のサポートは、Windows 2008 Hyper-V上のRHEL 5.2と5.3に限られている。RHEL Xen上ではゲストとしてMicrosoft製品を得ることはできない。これはRed Hatが同社の来るカーネルバーチャルマシン(KVM)ベースのハイパーバイザ製品をSVVPプログラムに提供するためである;Red Hatは今年KVMベースのハイパーバイザ製品を商用提供し始めるのと近い時期に、認証を予期している。Red Hatは同社のXenベースのRHEL 5製品をSVVPプログラムに提供することを予定していない。」
この新しいMicrosoftとRed Hatの協定についてどう考えますか?これはIT管理者や顧客に対し、いっそうの安心感を与えるだろうか――あるいはその他に何らかの効果(意図していたか否かにかかわらず)を及ぼすと思いますか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ